ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

LINEモールはヤフーオークションに似ている!?はたしてその仕組みはどうなりそうか、私ならこうする。終 【no.0025】

(前々回、前回のブログを読んでから、こちらをお読みください。)
「LINEモールの仕組みはどうなりそうか、私だったらこうする」前編
「LINEモールの仕組みはどうなりそうか、私だったらこうする」後編

 「LINEモールの仕組みはどうなりそうか、私だったらこうする」終章です。

■現状の発表内容だと、向かう先はAmazon方面‥!

 右に行ったらDeNAと一緒、左に行ったらAmazonと一緒、という状態で、向かうとすればAmazon方面。でないと、今LINEモールが発表しているようなロイヤリティ課金メインの仕組みや、決済と発送をLINE側が管理するような仕組みは実現しにくいですからね。となると、ネットショップごとにコンセプトやカラーを出して売るような、ファッションや食品や家具なんかの商品はLINEモールでは扱いづらくなる。ネットショップとしてお客さんに探されることはないですしね。やはり、Amazonで売上の中心になっているような「検索される」商品。本やCD/DVD、家電、ゲームなんかになってしまうのかな。キャラクターグッズなんかは、LINEのスタンプでもたくさん出ているので、お客さんの属性に合わせて提案することは可能かなと思います。そう、DeNAともAmazonとも違うのは、LINEモールはLINEでのユーザとその行動履歴のデータをたくさんもっていることでしょうね。

 利用規約上、どんな情報をLINE側が使えるようになっているのかよくわからないのだけど(場合によっては、利用できない規約なのかもしれないけれど)発表した中で「LINEと連携」という情報があるので、ユーザデータは活用するのだろう。LINEのユーザデータでどんなものが活用できるかと考えると、

・顧客データ:LINEユーザのデータ。電話番号や名前、facebookなどと連携していれば、そちらのIDなんかも取れる。
・利用データ:スタンプの購入や、ログイン頻度、アクティブ率、写真のアップロードデータやテキストデータ、グループデータも。
・行動履歴データ:もしGPSと連動していると、利用データに対して「どこで利用したか」の行動履歴が取得可能。

 大きく分けると、データとしてはこの3つが活用可能。もちろんLINEとして本当に活用するかは別としてね。あくまで今回のテーマは「私ならこうする」というところなので、私はこうできると思っている、というような理解にしてくださいな。

■マーケティングするとしたら、この3つのポイントあたりか‥!?

 LINEユーザはまずほとんどの人がスマホで利用してるだろうから、行動履歴データを活用して、プッシュ型のアプローチをすることが可能。これがいままでのコマースではチャレンジが薄かったところなんだけども、顧客×利用×行動履歴のデータから、ユーザが「欲しがるだろう商品を欲しがるだろうタイミングで」LINEモールの商品データから引っ張ってきて提案する、みたいなことまでいきなりするのか。それとも、シンプルに顧客×利用のデータ(主にスタンプの利用データだと思うけど)をLINEモールの商品データに当ててマーケティングをしてくるのか。もしくはもっともっと単純に、現在IDを持っているLINEのユーザに対して、LINEモールへの誘導とメールマガジンでの流入を一気にかけるのか。

①.現在のユーザをLINEモールに誘導、メールマガジンで流入のプッシュをするマーケティング
②.顧客×利用データと商品データを当ててのデータベースマーケティング
③.顧客×利用×行動履歴のデータと商品データを当ててのデータベースマーケティング

 自助アプローチとしてはこの3つがいけると思うんだけれども、今更①をやることに大した意味はないような。LINEをやってる人のいくらかは買ってくれるだろうけども(そしていくらか買ってくれればOKなのかもしれないけども)、Amazonでいいでしょって話になってしまう。②もAmazonが高いレベルで実践しているデータベースマーケティングと同じだけども、グループやテキストどSNSのデータ活用が活路になるのか、イマイチよくわからない。facebookからのECが成功していれば②いいね!って話になるんですけどね。(そういえば、Fコマースって言葉、どこいった?)やはりチャレンジして欲しいのは③、私だったら・・としても③。行動履歴データはこれからよりデータの取得と分析が進んでいくと思うけども、「いつ誰が、どんなタイミングで、何を利用したか」の中で、今まで知ることができなかった「どんなタイミングで」を知ることができる重要なもの。LINEモールがLINEモールとして、本当の成功を目指すなら、顧客×利用×行動履歴のデータの活用を極めていくしかないと思うのだけども。どうでしょう。

■やっぱりみんなECをやりたがる理由‥!

 前回のブログでもニコニコ動画がECをやっていること、ちらっと書いたのですが、今後Webサービスの会社でECに取り組むところ、どんどん増えていくでしょうね。なぜかは明確な理由があって、「モノに対してお金を払わない人はいない」からです。モノとお金を等価交換することが原理原則だからです。Webサービスでマネタイズする方法は基本的に4つしかなくて、

①コンテンツ課金(フリーミアム含):サービスそのものにお金を払ってもらう。ニコニコ動画の月額プレミアム525円とか。
②広告:Webサイトやメールマガジンなどに広告を出稿してもらう。1枠いくら、とかで。
③データ:サービスから抽出したマーケティングデータを法人向けに販売。
④物販:EC。サービスを利用している会員にモノを買ってもらう。

この4つだと思うんですが、サイトの数が増えすぎて(&効果が良いものが少なくて)崩れ始めているのが②、無料が当然だったり相当なコンテンツレベルのハードルが高いのが①、最近流行りだけど数が増えると②と同じ状態になるのが③、ということなんですが、④にお金を払わない人がいなくなることはないので、中長期的に考えると、やっぱりみんな物販をやりたがるかなと。

 この話はまたいつか。

 「LINEモールの仕組みはどうなりそうか、私だったらこうする」おわり。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。