ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

あなたをプロの世界にいざなう「魔法の薬」。解説【no.0995】

 あなたをプロの世界にいざなう「魔法の薬」の解説です・・(前回はこちら

 全6回にわたって書いてきましたが、いかがだったでしょうか。本当は前編後編の2回で終わらそうと思ったのですが、思いのほか長くなってしまいました。長くなればなるほど、伝えたいことがぼやけていきますね。このテーマでお伝えしたいことはひとつ・・

 ドーピングで一時的なパワーは身についても、ドーピングでテクニックが身につくことはない。

 ということだったんですね。相当わかりづらい内容になってしまいましたので。こちらで解説させてもらえればと思っております。

 ドーピング、魔法の薬とは、ネットショップのマーケティングでいう「広告」のことです。ドーピングという表現、麻薬を想像させる魔法の薬という表現が良いか悪いかは別として、「広告」を表現しています。「広告」を使うと一時的なパワーを身につけることができます。

 テクニックというのはネットショップのマーケティングでいう「ノウハウ」です。日々の運用改善によって身につく「知恵」という表現もできるかなと思います。野球でいえば、素振りをしてティーバッティングをして、トスバッティングをして、地味で手間で面倒なことを繰り返し、頭を使って汗を流して、自分なりの「ノウハウ」を蓄積していくことになります。

 文中の●●君はプロ野球に入りたいがために、男に誘われるがまま、ドーピングをしてしまいます。最初は成果への保険のつもりで薬を飲んでいましたが、徐々に薬から離れられなくなってしまいます。そして、より強い薬に手を出さざるを得ない状況になるのです。もちろん、薬に頼りきりになり地味で手間で面倒なテクニックを磨く練習はおざなりになってしまいます。

 ●●君は「プロ野球に入れるかもしれない」というところの選手でしたから、当然そこに到達するまでに地味で手間で面倒な「ノウハウ」の蓄積をしてきたわけです。しかし、ネットショップの業界の現実は、より厳しいものです。なぜなら、立ち上げたばかりのネットショップにいくらでも広告をかけることができるのですから。

 立ち上げたばかりのネットショップに広告をかけるということは、野球を始めたばかりの小学生がドーピングをおこなうようなものです。改善の試行錯誤をしていないままに広告を使ってブーストをかけることを覚えてしまうと、地味で手間で面倒なことをする気持ちがなくなります。お金で時間を買う状況になります。(実際は効果がないので、時間も買えないのですが・・)

 「テクニック=ノウハウ」はお金では買えません。よいコーチについてもらうとか、教本を買うとか、食生活を見直すとか、自分を高めるためにお金を使う方法はありますが、結局は地味で手間で面倒な努力を時間をかけて積み重ねないと、「ノウハウ」は身につくことはありませんよね。

 地味で手間で面倒な改善を積み重ねるのはやっぱりツライです。結果が出るまでに時間がかかりますし、「果たして本当に結果がでるのか。でるならそれはいつなのか」という気持ちと戦い続けなければいけません。広告を使ってしまった方が楽ですし、一見手早く思えます。ただ、テクニックの土台がなければ、いくらドーピングをしても無駄です。

 ネットショップの責任者の方には、まず「広告を使いたい」という気持ちをグッと押さえて、地味で手間で面倒な改善を重ねることからスタッフを動かしてもらえればと思います。広告を使わない状態が続けば続くほど、強い会社に成長します。

 ちなみに、野球においてドーピング自体は禁止なので、そこはあくまで例ということでご容赦ください。

 おわり。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。