ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「広告を使わない」で試行錯誤する、もがく。そんな自分ルールから始める【no.1038】

 事業を展開していく上で大切なのが「徹底」すること。自分だけの明確なルールを設定して、そのルールを守ったまま、事業を試行錯誤していくことで「突き抜けた」サービスが生まれることになります。

 ネットショップの場合、セミナーでよくお話しているのが「広告を使わない」ところからネットショップ運営をスタートしてみる、という自分ルールです。ある程度のところまで売上が到達するまで、広告を使わないということを「徹底」していきます。

 「新規のお客様を獲得する」というのは、ネットショップの運営において最も難しい仕事ではないかと思います。ECサイトは増え続けています。けれども、Eコマースを活用するお客様の数は限られています。Amazonのような外資の巨人もいます。その中で、新しいお客様にどうやってリーチするのか、頭が痛い問題です。

 ネットショップの専門紙の調査によるところでは、95%以上の事業者が「新規顧客獲得」のため、広告を活用しています。いまだに「インターネットビジネス=広告活用」だと思っている事業者の方もいます。「広告を使わないで、どうやってお客様に知ってもらうのよ」ということです。

 広告の必要性は十分に理解しています。ただ、ネットショップの運用サイクルをつくる前に広告を使うと、「頭を使わなくなる」「汗水を流さなくなる」というのが現実です。こちらも、ECMJブログやセミナーでよくお話していることです。人は「お金を使う」ことを覚えると、「頭を使わなくなる」「汗水を流さなくなる」のです。(恋愛でもそうなのではないでしょうか・・汗)

 広告を使った方がたしかに手っ取り早い。ただ、その気持ちをグッとおさえて、自分ルールとして「広告を使わない」ところからスタートをする。そうすると、まずは何を考えるか。「いまネットショップに来られているお客様に、もっと買ってもらうためにはどうすればいいか?」ということを考えるんですね。

 新規のアクセスが望めないならば既存のお客様を盛り上げていこう、という思考に頭が切り替わります。新しい商品はどんな商品を発売したらいいのか、過去の売れ筋を掘り起こせないか、ページの画像や説明文は適切なのか、もっと他の提案ができるんじゃないか、決済方法や配送方法の選択肢を広げることはできないか、そもそもこのネットショップでリピートしてもらえるのか、など、様々な改善策が上がると思います。

 頭を使って、汗水を流してネットショップを改善していく。実店舗や卸、メーカーなどの仕事と一緒です。改善を繰り返した上で広告を活用すると、その威力は数倍違います。改善がない状態で広告を活用しても、ザルに水を流しているような状態になるだけです。まずは「広告を使わない」という自分ルール、実践されてみてください。

 ただ、困ったことに、この「広告を使わない」という自分ルールはインターネット専業の会社だとなかなか取り入れづらいのです。インターネット専業なのですから、「頭を使って、汗水を流して」と流暢なことをいえないという場合もあります。母体となるビジネスがありインターネットに販路を拡大される、という会社には非常に向いています。なにより、会社力が高まるはずです。

 それともうひとつ。「広告を使わない」というルールをどこで解除するのか、です。ここについては、取り扱っている商材、商品単価、事業者のブランドによって異なります。仕入れ&小売りのネットショップであれば月商300万円、オリジナル商材のネットショップであれば月商100万円が目安と考えられてください。

 おわり。

 

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。