ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

目先の赤字を気にするとネットは「失敗」します。【no.1066】

 目先の赤字を気にするとネットは「失敗」します。

 ECサイトを活用して売上を上げる。WEBサイトを活用して問い合わせを増やす。WEBサイトを活用して実店舗への来客を促す。ネットの活用の方法はそのビジネス形態によって様々ですが、ネットビジネスは必ず最初に赤字の時期をむかえます。

*ネットビジネスが赤字に突入する理由

 なぜ?と思う方もいるでしょう。インターネットのビジネスは初期投資が少なくて済むことがひとつのメリットです。Eコマースサイトを立ち上げたり、ホームページを立ち上げたり、WEBサービスサイトを立ち上げたとして、数十万円ほどで構築することができます。自分でWEBサイトを立ち上げる場合、無料で立ち上げることができるサービスも存在します。

 リアルのビジネスならばこうはなりません。たとえばネットショップに対しての実店舗。テナントを借りるのにお金がかかります。店舗の設備を用意するのにお金がかかります。在庫を準備しておくことにもお金がかかります。他にも店舗のデザイン料金などもかかるかもしれません。お店を出店するための初期投資にお金がかかるのです。

 ただし、実店舗の場合、ネットに比べて救われていることがあります。それは、商圏があるということです。大きく商圏を外さなければ、そこにお客様がいます。大きくニーズを外さなければ、お客様が利用をしてくれます。新店だからということで、贔屓にしてくれるお客様もいるでしょう。とにかく、少なからず実店舗は初月から売上が出ます。

*あなたのサイトは最初は誰も知らない

 ネットで困ってしまうのは、あなたのWEBサイトがオープンしたことを誰も知らないことです。オープニングセールを行っていることを誰も知らないことです。たとえ検索エンジンで「健康食品」と検索したとしても、あなたのネットショップは検索結果の一番上に出てきません。何百、何千ページ後の地中深くには確実にヒットしています。しかし、何百ページ後までお客様は探してくれません。

 初期投資が少なくて済む、ただし商圏がないため最初はお客様に気づいてもらえない。これがネットビジネスの特徴です。ネットビジネスはWEBサイトを立ち上げてから、販売商品を増やしたり、情報を増やしたり、WEBサイトを改善したりして、お客様との距離感を調整(チューニング)していかなくてはいけません。つまり、ネットは「運用投資」がかかるのです。

 WEBサイトは立ち上げた当初は成果ゼロです。ネットショップならば、売上ゼロです。ホームページならば問い合わせゼロです。ブランドサイトならばアクセス数も極小かもしれません。ただ、ここで努力を止めてしまったらそこまでです。ネット担当者が日々の改善を回し、成果につなげていかなくてはいけません。成果ゼロのまま、運用コストだけが増えていく状態が続きます。

*ネットビジネスの最初の関門

 成果ゼロ。しかもインターネットはお客様の顔が見えない。改善に対しての反応がない、暖簾に腕押しの赤字状態をいかに耐えることができるか、これがネットビジネスの最初の関門です。

 ただ、インターネットの成果の上がり方は実店舗とは異なります。実店舗の売上が右肩上がりの直線上に伸びていくのに対して、ネットの売上は反比例状に伸びていきます。ブレイクポイントを過ぎると、成果は一気に加速していきます。なぜなら、商圏が無限だから、です。

 ネットは初期投資がかからない分、運用投資がかかるということ。商圏がないため、成果ゼロの赤字状態を耐えなければいけないこと。ネットに取り組む際に、腹の底から覚悟をしておきましょう。

 目先の赤字を気にするとネットは必ず「失敗」します。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。