ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「わさび漬け笹かまぼこ」が突然売れるようになった理由。【no.1085】

 ネットショップのあるあるストーリー

「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

「この前、雑誌で紹介されていた笹かまぼことわさびが混ざったようなもの、ここにあるんですよね?」

午後の休憩から実店舗に戻るなり、お客様のひとりが友花里さんに話かけてきました。友花里さんは自分からお客様に聞いてみようと思っていたので、いきなりの質問に面を食らいました。

「たぶん、『わさび漬け笹かまぼこ』のことだと思うんですけれど、合ってますかね?」

友花里さんはお客様を「わさび漬け笹かまぼこ」の置いてあるところまで案内して、パッケージを指さして言いました。

「あー、これですこれです。こんなパッケージだったような気がします」

お客様はポケットからスマートフォンを取り出し、写真を確認していいました。友花里さんにスマートフォンの画面を見せてきました。「これで間違いないですよね」。スマートフォンの画面には、「わさび漬け笹かまぼこ」の画像が表示されていました。

お客様ってこういう風に商品を探しているんだ・・。友花里さんのひとつの気づきになりました。

「すいません。こちらから質問させてもらって何なんですけれども、この『わさび漬け笹かまぼこ』って、最近どこかで紹介されていたんですか?さっき、雑誌・・っておっしゃっていた気がしたんですけれども」

友花里さんは思い切って、疑問に思っていたことをお客様に聞いてみました。友花里さんとしては、お客様に失礼にあたらないか不安があったのですが、お客様はそんなことを気にせず、サックリと返答をくれます。

「あー、今週頭に発売のね。婦人物の雑誌で、この商品が紹介されてたのよ。おいしそうだなと思って。ちょうどね、記者の方も『笹かまおにぎり』さんで『わさび漬け笹かまぼこ』の存在を知ったみたいよ」

「そうなんですね!ご存知かわかりませんが、『笹かまおにぎり』のネットショップがあるんです。実は、数日前からネットショップでも『わさび漬け笹かまぼこ』がすごく注文が多くて、なんでいきなり注文が増えたんだろうって、会社の中でも話題になってたんですよ」

友花里さんは包み隠さずお客様に疑問に思っていたことを伝えました。

「あら、そうなのね。おにぎり水産さん、ネットショップもやってらっしゃるのね。だったら、私もネットショップで買えば良かったわ。わざわざお店までくる必要なかったじゃない。おほほほほ」

お客様は「わさび漬け笹かまぼこ」を3パックほど手にとり、笑いながらレジへと向かっていきました。お客様と話したことで、友花里さんにはいくつかの発見がありました。

「わさび漬け笹かまぼこ」が婦人物の雑誌で紹介されていたこと。その雑誌の発売日が「笹かまおにぎり」のアクセス数と注文数が突然増えた日とピッタリ合うこと。お客様が「わさび漬け笹かまぼこ」のページを写真に撮って、それを見ながら商品を探していたこと。「笹かまおにぎり」ネットショップの存在は、まだまだお客様に知られていないこと。

結果には必ず何かしらの原因がある。麻間(あさま)さんが常々いっていたことが、なんだかわかった気がしました。そして、これからのネットショップ運営や実店舗の運営にどう活かすことができるかを、友花里さんは考えました。

「友花里!大変!」

突然、友花里さんを遠くから呼ぶ声がしました。友花里さんを呼んだのは七海さんでした。

「『わさび漬け笹かまぼこ』の在庫がなくなりそう。あんなに冷蔵庫にあったのに。どうしよう!」

ネットショップと実店舗で急激に注文が増えたことにより、「わさび漬け笹かまぼこ」の在庫が切れそうになっていたのでした。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。