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「売れるものを最大限売れること」とは、果たしてなにか?【no.1148】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

「ユニクロという会社の話をしましょう」

 麻間(あさま)さんが言いました。七海さんと友花里さんはどんな話がくるのだろうと、唾液をゴクっと飲み込みました。

「ある方から聞いた話です。その方は、ユニクロのコンサルタントをやっていました。社長にも非常に近いコンサルタントをやられていたと聞いています。この方があるとき、社長に『ユニクロの強みって何ですか?』と聞いたというのですね。その答えは何だったか。『売れるものを最大限売れること』と答えたというんですね。つまり、『売れるものをたくさんの人に売れるノウハウ』、これがユニクロの強みだというのです。ちょっと、話が難しいので、ここからは私の解釈として解説しますね」

 七海さんは少し苦笑いをして、麻間さんと目を合わせました。メモ帳には「売れるものを最大限売る」と書いたものの、まったくその意味がわかりませんでした。

「『売れるものを最大限売る』。まず、ここにはふたつのノウハウが隠れています。ひとつは『売れるものを見つける』というノウハウ。もうひとつは『最大限売る』というノウハウです。手順として、開発&発売した商品が『売れる商品であるかを見極めること』、そして『売れる商品』について『最大限売る』という流れがあることになります。では、『売れる商品であるかを見極めること』。ここについては、どんなノウハウがありそうですか。友花里さんだったらどう思います?考えてみましょう」

 麻間さんが友花里さんに質問をしました。

「うーんと、たとえば、『売れる商品』っていうと、今回の『わさび漬け笹かまぼこ』とかってことですよね。そもそもこの『わさび漬け笹かまぼこ』という商品が、『雑誌に取り上げられた』ってこと自体が『売れる商品』の条件のひとつなのではないかと思いました。今回の場合、別に私たちが雑誌のみなさんに『載せてほしい』とお願いしたわけではないですし、『話題性がある』という意味でも」

 麻間さんがホワイトボードに「メディアに紹介される(こちらからの依頼なしで)」と書き込みました。続けて、「七海さんはどうですか?」と七海さんに同じ質問を振りました。

「そうですねー。いま友花里がいってた『雑誌に取り上げられる』っていう話題性もそうだとは思うけども、話題性があっても売れない商品ってあるわけじゃない。今回の『わさび漬け笹かまぼこ』については、雑誌に取り上げられてからのお客様の反応が『売れる商品』という認識につながってるんじゃないかなと思うの。だから、メディアに取り上げられたときの『お客様の反応』っていうのが、『売れる商品の見極め』につながるんじゃないかと思うんだけども」

 麻間さんはウンウンと頷いて、「じゃあ、いま七海さんがいっていた『お客様の反応』ってどういうものがあると思いますか?」と重ねて質問をしました。今度は友花里さんの順番です。

「『お客様の反応』としては、やっぱりまずは注文ですかね。『わさび漬け笹かまぼこ』を注文いただいた数の多さってのは、確実に『反応』ですよね。あとは、『スピード』かなぁ。雑誌に紹介されてから『わさび漬け笹かまぼこ』の注文がすぐに来ましたし、『お客様の反応の速さ』っていうのは、『売れる商品の見極め』に関わってくるんじゃないかと思います」

「友花里がいったのがメインだとは思うけど、お客様からの問い合わせの数とか、実店舗で場所を聞かれた数とか、『わさび漬け笹かまぼこ』の電話の数、メールの数とかも、『売れる商品の見極め』に関わってくるんじゃない?」

 七海さんが口をはさみました。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。