ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

すごーーーくわかりやすく、インターネットマーケティングというものを書いていきます。二十四【no.0556】

 すごーーーくわかりやすく、インターネットマーケティングというものを書いていきます。(前回はこちら

 前回のブログまで、現在のインターネットマーケティングの主流である「一本釣り」の考え方について紹介をしてきました。

 ユーザーの「一本釣り」を成功させるために必要なのは、データベースマーケティングの知識と知恵です。データベースマーケティングを実現するためには、3つのデータを理解・活用することが重要という話をしました。顧客(属性)データ、注文(受注)データ、行動履歴データの3つです。この3つのデータベースを横串にして掛け合わせることにより、対象を絞ったユーザーにより最適なアプローチを仕掛けることができます。

 すごーーーくわかりやすく、インターネットマーケティングを説明する、と言いつつも、ちょっとわかりにくい&難しい内容だったかもしれませんね。失礼しました。ここでのポイントは、インターネットのマーケティングは「一本釣り」の精度を上げる方向に流れていること、そのために重要視されているのが「データ」だということ、この2点を抑えておいてもらえれば結構です。1、2年前から巷で「ビッグデータ」という言葉が流行していますが、その活用も紹介したものと大きく外れません。いずれにせよ、キーは「データ活用」ということです。

 ここまで、インターネットマーケティングを知る上で、重要な視点をふたつ紹介してきました。おさらいをしていきます。

 ひとつは、インターネットビジネスはプレーヤー(サービス提供側)が半永久的に増え続ける市場であること。サービスを受ける側のユーザーは「半永久的」には増えないわけですから、詰まるところ「『買いたい人』より『売りたい人』の方が多い」市場に時間を追うごとに傾いていくわけです。最終的には、「ユーザーの奪い合い」になります。

 ユーザーを奪い合う市場の中で、いかにお金と時間という投資を最適化してビジネスを成長させていけばいいのか。そのためのアプローチが前述した「一本釣り」のマーケティングということになります。これがインターネットマーケティングにおける重要なふたつ目の視点です。「一本釣り」を実現するためには「データ活用」が不可欠。これも、前述したとおりです。

 さて、ここからインターネットマーケティングを知る上での、みっつ目の重要な視点を紹介していきます。

 「買いたい人」よりも「売りたい人」が多くなる市場の状況を理解し、インターネットビジネスの「差別化」を図る。そして、データを取得・集計し、インターネット上からユーザーを獲得するための「一本釣り」のマーケティングをおこなう。この2つをしっかりと理解・実践・実現できたとしても、インターネットビジネスの成果は上がり続けるわけではないのです。

 例えば、化粧品を販売するネットショップを立ち上げたとしましょう。美容系のインターネットビジネスは、もっとも競合が多いジャンルのひとつです。「買いたい人」よりも「売りたい人」が多い、飽和状態の市場になっています。その状況を理解し、これまでになかった顧客セグメントに向けた製品を自社オリジナルで開発したとします。「差別性」もバッチリです。

 サービスの対象となる顧客セグメントに「一本釣り」で最適にアプローチをするため、データベースもしっかりと整えました。リスティング広告(PPC広告)を活用し、データ分析のPDCAを繰り返しながら、マーケティングの最適化を行い、少しずつ広告予算を上げていきます。

 月10万円、20万円、30万円・・というように、収益性や商品原価、リピート率のバランスを見ながら広告予算を拡充し、売上を拡大していくことができたとします。しかし、これは永遠には続きません。広告予算があるポイントに達すると、売上がパッタリと止まってしまうのです。これが、市場の怖さです。

 つづく。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。