ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ショッピングモールと自社サイト。ネットショップ出店の違い【no.0362】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

 二子(にこ)社長の説明が始まりました。

「今日、まずお話するのがシステム利用料です。システム利用料は主にふたつの費用があります。ひとつ目は、ネットショップの出店費用と売上に対するロイヤルティです。鬼切社長、出店費用とロイヤルティがどれくらいかかっていたか、覚えていらっしゃいますか」

 鬼切社長は、ショッピングモールでネットショップを運営していた頃のことを思い出しました。最初にネットショップを始めたときに、出店費用を一括で支払った覚えがありますが、経理の松永さんに「支払っといてくれ」といっただけで、金額までは確認していたか、記憶が曖昧です。

「先日、二子社長に相談の、ご連絡をする前に、猪井氏(いいし)先生から『売上年商1億円。利益2,000万円って本当か?』と言われた後、おにぎり水産の経理担当にネットショップでかかった費用の合計を聞いたんですよね。確か、う~ん、いくらって言ってたかな。240万円だか300万円って言っていたような気がします」

 鬼切社長の口から、ネットショップの出店費用としては高額な数字が出てきましたが、二子社長は内容を理解し、驚くこともなく返答します。

「ああ、それはきっと、ネットショップでかかった費用として、ショッピングモールに出稿したインターネット広告費用が含まれていますね。通常、ネットショップの出店費用というと、月1万円~5万円が相場です。また、ショッピングモールでも自社サイトのレンタルカートのシステムでも、無料のものもあります」

「二子社長、無料のものもあるんですか!無料の方がいいじゃないですか。それに、ショッピングモールと、レンタルカート?ってのがあるんですね。その違いがイマイチわかりません。おにぎり水産がネットショップをやっていたのは、ショッピングモールだったと思うんですが」

「なるほど、すいません。そこを解説しなければいけませんね。ネットショップの出店の方法には大きくふたつあって、ひとつがおにぎり水産がやられていたショッピングモールに出店する方法です。そして、もうひとつがネットショップをつくるシステムを借りて、インターネット上にショップを出す方法です。これを『自社サイト』とか『独自ドメイン』といった表現をします。実店舗でイメージしてもらえればわかりやすいと思うんですが、イオンやららぽーと、伊勢丹や高島屋に出店するのがショッピングモール。その他、路面店にお店を出すのが自社サイト、ということになりますね」

 鬼切社長は、「なるほど」という感じで、ウンウンと頷きます。

「そうなんですね。てっきり、インターネットにネットショップを出す方法って、ショッピングモールに出店するしかないと思ってましたわ。自社サイトなんて方法があるなんて知りませんでした」

「そういう方は多いでしょうね。インターネット上に路面店を出す、と言っても、インターネットの知識に長けていない人にとっては、イメージがつきづらいじゃないですか。ショッピングモールにネットショップを出す、の方がわかりやすいですよね」

「うん、確かに。で、ショッピングモールにネットショップを出すのと、自社サイトでネットショップを出すのって、まあ、いろんな会社があっていろんな違いがあるんだろうけども、かかる費用の差ってあるんですか」

 鬼切社長はこの勉強会の目的からそれず、的確な質問をします。

「そうですね。ショッピングモールは月額の出店費用と、売上に対する料率課金がかかるのが一般的です。それに対して、自社サイトの場合は、月額の出店費用しかかからないことが多いですね。といっても、先ほども申した通り、ショッピングモール、自社サイトともに費用が全くかからないでネットショップの運営ができるものもあります」

「二子社長、そこはやっぱり無料のものの方がいいんじゃないの?ここまでもう90%以上経費も使ってきてるんだから、少しでも安く抑えられた方が・・」

 二子社長は、少し間をおいて言いました。

「ここはマーケティングにも関わってくるので今回の本題ではないんですが、一概に無料の方がいいとも言えないんですよね

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。