ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ECコンサルタントをもっと活用して売上を伸ばすための考え方【no.0049】

*ショッピングモールのECコンサルタントってどんな人‥!?

 インターネットのショッピングモールでネットショップを成功させるために欠かせないのは、ショッピングモール側の担当者つまりECコンサルタント(ECC)の協力です。楽天市場、Yahoo!ショッピング、ポンパレモール・・ショッピングモールにはネットショップの売上を伸ばすサポートをする人間が存在します。それがECコンサルタントです。

 ショッピングモールのプラットフォームが大きくになるにつれ、新卒入社1年目・2年目の新人社員がコンサルタントを担当することになり、販売戦略を考えるというより「広告営業」のようなポジションになってきているのは非常に残念だが、それはもちろん本来の役割ではありません。

 あくまで目的は、ショッピングモールに出店したネットショップにECを理解してもらい、売上をあげてもらい、よりショッピングモールを活性化させること。ECコンサルタントの質が以前に比べて落ちてきている問題はあるとしても、そこはネットショップ側ではコントロールが利かないところ。ネットショップの側からどんなアプローチをして、ショッピングモールのECコンサルタントを活用していくか、これが今回のテーマです。

■仲良くなって悪いことは1つもない‥!

 まず重要なのはECコンサルタントとのコミュニケーション。ショッピングモール側のECコンサルタントが優秀であろうとなかろうと、気が利く人であろうがなかろうと、個人的な趣味は別にしましょう。

 実績のあるECコンサルタントや、経験のあるECコンサルタントは売上が高いネットショップに割り当てられがち、その他大多数のネットショップは新人が担当することもある。そしてECコンサルタントは1人あたり、200店舗や300店舗のネットショップを担当している。ネットショップ出店者側が選べるものではない上、担当している数百のネットショップの中から、ECコンサルタントが自ら自社のネットショップを選んで他社より力を入れて協力してくれるわけではありません。

 とにかく、ネットショップの側からコミュニケーションを仕掛けること。1週間に1度はメールをする、隔週で電話をする、3ヶ月に1度は会う、など定期的なコミュニケーションをこちら側から取っていきましょう。連絡頻度の深さは、関係の深さに比例していきます。コミュニケーションの内容は自社ショップの情報共有で大丈夫です。こちらが深く突っ込まなくても関係が深くなれば、ECコンサルタント側から情報を出してくれるようになるはずです。

 ネットショップの戦略や、社内におけるネットショップの立ち位置などをECコンサルタントと共有しておくことも大事。戦略といっても難しいことではなく、この商品を特に売っていきたいとか、クリスマスシーズンにはこういうイベントをやりますとか、そのくらいで十分です。最初は予算計画とかまで掘り下げていかなくても大丈夫。

 もし、共有する内容が定まらないならば、ECコンサルタントを自社に呼ぶか、もしくはショッピングモール側に会いに行って、戦略を一緒に考えてもらえばいい。たとえECコンサルタントが新人だったとしても、必ずベテランの上司が出てくるので話も進みやすかったりします。

 優秀なコンサルタントが戦略を作って提案してくれることがあるかもしれないが、それは他力本願なので、どんどんネットショップ側から動いていく。とにかく「情報共有」が大事です。ECコンサルタントもネットショップ側が「何をしたいのか」がわかっていれば、「どんなサポートができるのか」が明確になります。数百もネットショップを担当していれば、「どんな協力をすれば良いかがわかる」ネットショップを優先するのは当然です。

■嗚呼、小林さん、その節はどうもありがとうございました‥!

 私が思い出に残っているのは、Yahoo!ショッピングの小林さんというECコンサルタントです。Yahoo!ショッピングでベストストア賞を獲得できたのは、ひとえに小林さんのお蔭。小林さんとは毎日電話をしていました。昨日の売上とアクセス人数はどうだったか、なんでそのような成果になったか、期待している新作商品は広告に使えそうか、在庫が膨らんでいる商品の使い道はないか、など。毎月初めに、前月の振り返りと当月の戦略を社内向け資料として作っていたのだが、それもそのまま小林さんに共有していました。

 ECコンサルタントは、販売に関わらないネットショップの仕組み、仕入・原価率・在庫・物流などについては十分にわかってはいない。だから、しっかり共有する必要がある。そして、Yahoo!ショッピング側の動きと競合他店の動きを聞く、これがECコンサルタントとのコミュニケーション頻度を上げることの一番のメリットです。なにせ、自ネットショップ担当のECコンサルタントのデスクの隣には、競合他店の担当ECコンサルタントが座っているのだから。「これ、なんとなく聞いておいてよー」みたいな要求も簡単にできるのです。

 ショッピングモール側のECコンサルタントを「単なる広告営業だろ!」と突き放したり、「使えない」と判断するのは簡単。どうすればECコンサルタントから有益な情報を引き出せるか、彼らには大した情報ではなくともネットショップ側には重要である情報は何か、ネットショップ側だけが知っていて彼らが知りたがっている情報は何かを考えよう。自然に有益な情報はやってこないというのを前提にして、自らECコンサルタントにアプローチしていくのが良いのではないかと思います。恥ずかしがらずに。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。