ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ドラゴンクエストが僕らに教えてくれたこと。 【no.0078】

■エスカレーターをダッシュし、ドラクエ3を手に入れた母‥!

 目指せゴルフ場の勝ち組‥!【弐章】のテキストを用意していたのですが急きょ、ドラクエについて書くことにしました。そう、僕らがドラクエから教わった、大切なこと。

 ご存じの方も多いと思いますが11月28日の0時から、ドラゴンクエストⅠのiPhone/iPod touch/iPadとAndroid、スマートフォン向けに最適化されたものが発売されています。しかも、先着100万ダウンロードまでは無料での提供です。私はドラゴンクエストファンでありますが故、早い時間に無料でダウンロードさせていただきまして、仕事の合間、駅で電車を待っていたり、電車に乗っている間、ドラクエをプレイしている、ちょっとダメっぽい社会人になっているのです。

 私のドラクエに関する一番の思い出といえば、ドラクエ3発売時のことです。当時9歳だった私がゲームを買いに行くのは色んな意味で危ないということで、母が朝イチで西武百貨店に並びました。西武百貨店に限らず、どのデパートでもドラクエ3のソフト入荷本数が少ないという噂がありましたし、整理券が配布されるという噂もありました。ビックカメラとかさくらやとかでは前日深夜から並ぶ人もいましたしね。

 そんなわけで自宅で待機していた私は完全に諦めていたのですが、昼過ぎになって帰ってきた母親のハンドバッグの中にはドラゴンクエストⅢが!!手渡してもらったときの感動は忘れることができません。母親がいうには、西武百貨店では特に整理券などはなく、開店と同時にみんながダッシュしたのだとか。当時のおもちゃ売り場は7階だったので、みんなエスカレーターをダッシュしたみたいですね。いい母親です。ちなみに、初代ゲームボーイの発売時も、母親は同じようにエスカレーターをダッシュして、ゲットしてきてくれました。

■ドラゴンクエストのおかげで考える力がついた‥気がする。

 私が子供の頃はゲームが全盛期を迎えようとしていて、小学校の3年生くらいまでは外で遊んでいましたが、4年生くらいから友達との遊びといえばほとんど屋内のテレビゲームになりました。過渡期だったんですね。1990年前後です。子供がゲームばかりするようになって、身体が弱くなったとか、元気がなくなったとか言われたんですが、ドラゴンクエストををやることで、考える力はついたと思うんだよな。というか、初めて頭を使ったのはドラクエなんじゃないかと、アプリをプレイしていて思った。

 敵との遭遇率が低い芝生を歩いて遠回りをするのか、高い遭遇率というリスクをとって森や山を歩き、街や城までショートカットしていくのか。これがゴルフだったらフェアウェイキープが当然で、好んでラフやバンカーに打ち込む人はいないよね。(強引にゴルフに繋げなくていいって!?)あとは、HPとMPのバランス。残りのMPだとあとホイミが3回使えるから、ちょっと遠出をして敵と戦っても大丈夫、みたいな計算を頭の中でしたりとか。よくミスって街に戻る直前で全滅したりするんだけどさ、トライ&エラーを繰り返しながら学んでいくわけです。

 そんな中でも、同じお金を持っていたとき、武器から購入するか防具から購入するかってのは重要な選択だなと。戦闘を効率的に回したいなら武器を優先すべきだし、洞窟にいくなら防具の購入も捨てがたい。私は徹底的に武器を優先するタイプで、たとえ防具が「ぬののふく」でも「はがねのつるぎ」を買う。徹底的に戦闘を効率的に回していた方が、経験値もお金も溜まるので成果が出るのが早くなるからで、その裏には「すばやさ」というスペックがレベルアップからしか成長しない、という事実がある。「すばやさ」が防具によって成長するなら、防具を優先せざるを得ない。だって、武器を優先するのは「同ターンにおいて、敵よりも先に攻撃する」という条件があってこそなのだから。

 とか、ドラゴンクエストをプレイしながら、小学生時代に考えていたことを思い出し、リスクとか最適化とかプライオリティとか効率化とか、なーんだあのころドラクエから全部教わってたんじゃない‥!と思ったわけです。

■「人は自分の思い通りにならない」を教えてくれたAIシステム‥!?

 ちなみに、ドラクエですごく好きな機能がドラクエⅣのAIシステムで、知らない人のために言うと、主人公以外のキャラクターが指定された作成(「ガンガンいこうぜ」とか「いのちだいじに」とか)に従って自動的に手段を選択するってシステムなんだけども、これは具体的なコマンドの入力ができないので当時不評だったのです。でも、これがすごいって思うのは、指定された作戦に対して行動が自動的に選択されるってところじゃなくて、「人は自分の思い通りにならない」っていう、組織や社会のセオリーをゲームに持ち込んだところだと思うんですよ。

 たぶん、エニックスの企画会議でも「そもそも、プレーヤー=主人公=勇者なのに、そいつにマーニャがメラゾーマを唱える『意志』を選択させるのって変じゃないっすか?方針は決められても『意志』は決められないのではないでしょうか?」みたいなやり取りがきっとあったはずだ。ドラゴンクエストⅣのスーパーファミコン版リメイクでは「めいれいさせろ」という『意志』を動かす作戦が加えられていて少々興ざめするのだが、AIシステムの狙いがそこにあったのなら、ドラゴンクエストは本当に深い。僕らは「人は自分の思い通りにならない」という原理原則でさえも、小学生の頃にドラゴンクエストから教えられていたわけだ。

 次回はゴルフ。

 

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 7.Eコマースのひと工夫, 9.Eコマースこぼれ話

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。