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ネットショップ、WEBサービスの転換率(コンバージョン)は意外とやっかい。2【no.0723】

転換率(コンバージョン)は意外とやっかい。(前回はこちら

転換率が変化する要因として、まずはWEBサイトのカイゼン。ネットショップやWEBサービスの書籍やセミナーの具体事例でよく語られている「こうやったらコンバージョン率が改善しました!」というようなものです。

WEBサイトのカイゼンは、比較的すぐに転換率に変化があらわれます。極端にいえば、商品ページの写真を変えた、商品ページのコンテンツ構成を変えた、ワンクリックで購入できる仕組みを導入した、その瞬間からコンバージョンは変化をするはずです。なので、非常に短期的な変化ということになります。

このWEBサイトを改修したことによる「転換率のカイゼン」を評価・検証する場合には、同一期間同一条件でのコンバージョンの比較をおこないます。特にポイントになるのは、「同一条件」というところです。

ネットショップやWEBサービスは常に動いています。日々新しい商品が追加され、日々新しいコンテンツが追加されていきます。また、インターネット広告がかかったり、メールマガジンが送信されたりすることにより、WEBサイトの動きに特別な要素が加わってくることもあります。複合的な要因を考えながら、より「同一条件」に近いものを探して比較をしてください。

商品ページの写真を変えたならば、変更前と変更後の転換率を比較すれば、その成果が検証できます。ただし、変更前と変更後でWEBサイトに流れてくるお客様の質が比較的近いと想定される場合に限ります。商品ページのコンテンツ構成を変えた場合も同様です。特別に新規顧客が多い、もしくは特別に既存顧客が多い期間と比較をしてしまうと、正確な検証データを取得できない場合もあります。この部分だけは、頭に置いておくと良いですね。

転換率(コンバージョン)が変化する要因として、まずひとつ目として「WEBサイトのカイゼン」を挙げました。ふたつ目は、「商品・コンテンツ・サービス企画の追加」です。ネットショップの場合は「商品・サービス企画」、WEBサイトの場合は「コンテンツ・サービス企画」の2点ずつが対象になると思います。

WEBサイト内のページやシステムを改良することで転換率はカイゼンしていきますが、それよりももっと根本的にカイゼンをするのが、「商品・コンテンツ・サービス企画の追加」です。ネットショップでいうならば、「商品力」です。「商品力」は「提案力」を凌駕します。「提案力」をカイゼンすることも大切ですが、そもそも「商品力」の高い商品(WEBサービスの場合はコンテンツ)を追加することができれば、転換率はそれだけでカイゼンしてしまうものなのです。

WEBサービスにおける「コンテンツ力」も同様です。有料課金のWEBマガジンをイメージしてもらえればわかると思います。これまであまりうだつの上がらなかったWEBマガジンでも、ひとりのスター執筆者が生まれれば、会員登録者は一気に増えていきます。「商品力・コンテンツ力」は、やはり「見せ方・システム力」を凌駕していくものなのです。

「商品・コンテンツ」とともに挙げた「サービス企画」。こちらは最初に挙げた「WEBサイトのカイゼン」とも比較的近いのですが、ネットショップやWEBサービスにおける「販促企画」をイメージしてもらえるとわかりやすいかと思います。トレンドや季節性・イベントに応じて、ネットショップやWEBサービスが企画提案するキャンペーンのことですね。この「サービス企画」も転換率をカイゼンさせるための要素のひとつになります。

転換率(コンバージョン)を変化させる要素、ふたつ目は「商品・コンテンツ・サービス企画の追加」です。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。