ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップのメールマガジン、テキストメルマガでいくかHTMLメルマガでいくか【no.0775】

 以前に比べて効果が下がっているとはいえ、メールマガジンは多くのネットショップにとって「インターネットを使った、お客様に能動的なアプローチができる」数少ない手段のひとつです。

 メールマガジンの配信方法にはふたつがあります。ひとつは、文章を中心にしたいわゆる「テキスト」形式のメールマガジン。もうひとつは、画像を中心にしたいわゆる「HTML」形式のメールマガジンです。

 テキストメルマガが良いのか、それともHTMLメルマガが良いのか、ネットショップ運営において迷う部分のひとつです。一概にどちらが効果があるとはいえません。当然、最終的な注文につながるか否かはクオリティの差で決まります。

 ただ、もし「テキストメルマガとHTMLメルマガのどちらに基軸をもった方が良いですか?」と聞かれれば、「テキストメルマガ」を選択した方が良いでしょう。いくつか、理由があります。

 ひとつはテキストがもたらす「共感性」です。頭の中で「美人」を思い浮かべてみてください。奥さんをイメージするか、いつも電車でみかける女性を想像するか、もしくは堀北真希あたりを思い浮かべる人もいるかもしれません。「テキスト」は読み手側が自由にイメージをふくらますことができます。

 対して、美しい女性の写真があり、そこに「美人」と書いてあったとすれば、「美人」のイメージが固定化されます。美しい女性の写真に「美人だ」と共感する人もいれば、そうでない人もいるでしょう。イメージは読み手に任せた方が「共感性」が増すのです。ラジオに根強い人気があるのも、このイメージの固定化がないからなんでしょうね。

 次にテキストの「差別性」です。WEBページような画像を中心にしたHTMLメルマガをつくるためには、HTMLのスキルが必要になります。また画像のクオリティやデザイン・レイアウトのオシャレさなど、勝負の軸がビジュアルになります。自社に十分なスキルとノウハウがあれば別ですが、「他HTMLメルマガとの比較」になりやすいのです。

 しかし、テキストメルマガの場合は書き手のパーソナリティに依存する部分が大きいので「かっこいいカッコ悪い」「おしゃれオシャレでない」のような他との比較ではなく、「好みか好みでないか」という取捨になるのです。同様に、たとえば販促のチラシを作成する場合、デザインにこだわると他との比較になりますが、「手書き」のチラシは比較にはなりません。技術戦から遠のくことで「差別性」を明確にできるのです。

 そして最後です。テキストの方が「伝える力がつく」ということです。経験上、HTMLメルマガを継続するよりもテキストメルマガを継続する方がはるかに大変です。ネットショップのページの素材をペタペタ貼るのは楽チンですが、商品の良さや商品の使い方・楽しみ方を継続して「毎回異なるみせ方で」表現するのは非常に頭を使います。

 だからこそ、テキストメルマガを継続するとスタッフ自身に「力」がつきます。ご存じのとおり「文章を書く」ことは、自分をレベルアップさせます。頭の中を整理し、人がわかるように、わかる順番・言葉で文字を並べていかなければいけません。場合によっては自分がすでに知っていることだけではなく、文章を書くために新しく学ばなければいけないことも出てきます。

 テキストだからこその「共感性」、「差別性」そして「仕事力のアップ」。この3つの理由で、テキストメルマガの選択をおすすめします。もちろん大切なのは継続です。テキストメルマガの配信と成果検証を継続しておこない、自社だけのメルマガノウハウをつくっていきましょう。

 メルマガが「読まれない」時代ではありません。大切なのはコンテンツ力です。

 おわり。

 

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 1.Eコマースを始める, 2.Eコマースを続ける, 3.Eコマースの収益アップ, 5.Eコマースの分析

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。