ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップの規模別の課題「月商100万円」のフェイズ。【no.0245】

ネットショップの規模別の課題

「月商100万円」のフェイズです。

(前回はこちら

自営としてネットショップ運営から、経営としてのネットショップ運営に少しずつ変わっていくのが、月商100万円のラインになるかと思います。客単価が1万円のネットショップだと、発送件数は100件(1日4件)。客単価が5,000円のネットショップだと、発送件数は200件(1日8件)。客単価が2,000円のネットショップだと、発送件数は500件(1日20件)。ということで、1人だけで運営業務をこなせるような状態から、発送・梱包のアルバイトさんやヘルプの方を巻き込んでネットショップを回していくように変わっていくと思います。

月商100万円ほどのフェイズに成長すると、ネットショップを運営していく中でデータが取得できるようになってきます。売上が少ないうちは、ネットショップへのアクセスはポツポツ、受注もポツポツ、サンプルにするデータ量自体が少ないため、データの分析をしようにも偏りが生じてしまいます。月商100万円ほどになれば、売上100万円に対して、例えば、客単価が5,000円、受注件数が200件、アクセス人数が4,000人、転換率が5%というようなまとまったデータが取れるようになります

受注件数の200件の内訳はどうなっているか。低単価の商品と高単価の商品のバランスはどうなのか。エントリー商品は売れているか。アクセス人数の4,000人の内訳はどうなっているか。どこのウェブサイトを参照してアクセスした人が多いのか。どんな検索キーワードでネットショップに流入しているのか。新規顧客と既存顧客の割合はいかほどなのか。などなど、いわゆるデータ分析ですね

 月商100万円のフェイズの課題の1つ目

数字の管理(データ分析)ということです。まずは、どんな数字を管理するかを考えること。ネットショップであれば、「売上」「アクセス人数」「受注件数」「転換率」「客単価」という5つの項目の数字を管理していれば、スタートとしては十分かと思います。むしろ、管理する項目を増やし過ぎると、習慣化をすることができなくなるので注意をしてください。データ分析の本質は、ウォッチする項目の量にあるわけではなくて、成果のキーになる項目(いわゆるKPI)にあり、そして施策の整理にあります。決まったデータを同条件で取得し、比較して変化を見ていくことが大切です。

そんな数字の管理に慣れてきたら、詳細なデータの集計を加えていきます。様々なデータ分析がある中で、月商100万円のフェイズで行った方が良いと思われるのは、「商品別、商品カテゴリ別の販売実績表の作成」かと思います。月次の受注を集計して、エクセルを作成します。商品IDをキーにして、左から「商品ID」「商品名」「販売件数」「販売価格」「売上(販売価格×販売件数)」と並べるシンプルなエクセルで良いと思います。商品カテゴリの場合も同様に、商品カテゴリIDをキーにして、「カテゴリID」「商品カテゴリ名」「販売件数」「売上」というエクセルを作成します。

さて、データの並び順ですが、「売上」を中心に見たければ「売上」での降順。「販売件数」を中心に見たければ「販売件数」での降順にしてください。データを見るときには「1シート、1目的」にした方が共通理解、共通認識が深まります。「売上」で降順にしたエクセルで、「販売件数」の順番を目で追うよりも、たとえエクセルの内容が同じだったとしても、「販売件数」で降順にした別のシートを用意することをおすすめします。データに慣れていないうちは「1シート、1目的」の原則を徹底してみてください。

では次回は、「商品別、商品カテゴリ別の販売実績表の作成」の具体的な使い方を考えていきたいと思います。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。