ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

競馬完全素人の嫁から学びを得ることができてしまった件。最後 【no.0111】

(2014年1月のリライト)

 【後半】で書ききれなかったので、今回少し長いです。

 結局、私が買った馬券は、「サングレアル-ガリバルディ」の馬連1点に200円。この福寿草特別というレースは8頭立てだったんですが、圧倒的な1番人気のガリバルディと、ブエナビスタの妹である2番人気のサングレアルという、「経験は浅いが、未知の力を秘めてる」っぽい2頭にかけたんですね。特に、サングレアルは1戦1勝ですし、兄弟も重賞馬ですから、「めちゃめちゃ未知の力を秘めて」そうな馬なわけです。

 そして福寿草特別・芝2000メートルが始まりました。レースは、ウイントゥモローとオールステイという穴馬2頭が逃げまくる展開になり、いかにも荒れそうな感じに。オールステイの勢いは3コーナー過ぎで落ちてきたものの、ウイントゥモローの足色は衰えません。サングレアルとガリバルディ、そろそろ動かないと負けちゃうよー。4コーナー過ぎでかわって先頭に出たのが3番人気のサトノロブロイと4番人気のハギノハイブリッドの2頭。後ろから、ガリバルディとサングレアルも追ってくるんですが、前の2頭との差は詰まりません。頑張れガリバルディ!!頑張れサングレアル!!しかし、そのままゴール。1着サトノロブロイ、2着ハギノハイブリッド、そして3着にやっとガリバルディ。サングレアルはまさかの4着・・

 ああ、2分前までの一騎打ちの雰囲気は何だったのでしょうか。サングレアルとガリバルディの馬連1点を買った私っていったい・・。期待と確信が大きかっただけに、ショックも大きい。たった200円でも負けは負け。もし1万円をかけてたとしても、ワイドにも引っかからなかったわけです。あー、1万円かけてなくて良かったホッ、にはなりません。「ま、負けた・・(ズーン)」

 そんな私を後目に、喜んでいる人間がおりました。そう、嫁なんです。またまたまたまた、当たってるんですよ。しかも、勝った馬券は、ガリバルディの複勝を1点100円。配当は1.1倍なので、たった110円の払い戻し也。チャリーン

 しかしながら、もう、私の頭の中は「所詮110円じゃん」なんて感じにはなりません。「4連勝!?マジー!?」。トータルでいうと、4レースを賭けて、私は合計600円をかけて460円戻ってきたので140円のマイナス、嫁は合計500円かけて1040円戻ってきたので540円のプラス。金額的には松屋で牛めし豚汁セット(並)を食べれるくらいなんですけど、でも4連勝なんですよね。

 ここでね。たかが540円のプラスでしょとか、ビギナーズラックってあるんだねとか、そんな結論で終わっていい話だとも思うんですが、私はバカなので、「ちょっと待てよ・・この事実からなんか教訓があるんじゃないか・・?」と考えちゃうんですよね。

 よーく考えると、たった540円だけプラスとはいえ、原資は500円なので、2.08倍(以下2倍)になってるわけですよ。さらによく考えると、さっきまで嘲笑していた、100円賭けて110円のチャリーン払い戻しも、1.1倍ですよ。事業が10%、確実に伸びるなら御の字の数字じゃないですか。ある程度規模がはっきりしている市場なら、前年同月1.1倍伸ばすのも大変ですよね。1.1倍って、全然バカにする数字じゃない。

 そして、自分的に「これダッサいな」と思ったのが、振り返って最初にかけた6レースなんですけど、馬券をハズした私が、たった1.1倍でも勝ちを手にした嫁を、小馬鹿にしてるんですよね。ここは前々回のブログを参照してもらいたいんですが、この小馬鹿の中に潜んでいるのは、「1.1倍なんかに賭けても仕方ない。俺はもっと大きな倍率を掴むんだ」みたいな、ダメな気持ち。「俺の夢はデカイ。いつでも逆転できる」と思い続けてるうち、気づいたら堅実に1歩1歩前進した人に大差をつけられちゃっているパターン。

 このあたりを考えて思ったんですが、「原因」と「結果」ってあるじゃないですか。競馬だったら、サラブレッドの背景とか、これまでの成績とか、レース展開とかが「原因」になって、着順が「結果」になるわけです。でも、この「結果」という部分を「着順」ではなくて、「配当」と考えてしまうと、ダメなんだなと。

 競馬って「着順」を当てるゲームであって、「配当」を当てるゲームじゃないんですよね、当たり前ですけど。だけど、ギャンブル的な部分を考えれば考えるほど、つまりお金のことを考えれば考えるほど、「配当」を先に考えて、その「原因」たるストーリーをこじつけていくことになっちゃうんですよね。まあ、ギャンブルだから仕方ないのかもしれないし、逆に、ギャンブルだからこそ「原因」と「結果」が冷静にみれなくなるんだろうし。

 マーケティングの場合だったら、「売上=お客様からの評価」っていう部分があるんで、一概にお金を追っちゃいけないってことにはならないんですけど、「原因」と「結果」を考えていくときに、まずどんな「結果」を追うために「原因」を探していくのか、そこをしっかり考えて、見失わずに実践をすること肝心だなと改めて感じました。頭ではわかっていても、マークシート書く瞬間に変わっちゃうんですよね。私が「着順」と「配当」っていう二つの「結果」を求め自爆し、素直に「着順」だけを考えた嫁が4連勝を飾ったように。あくまで考えるのは「着順」で、「配当」は後からついてきますよと。

 まあ、うちの嫁はここまで考えてた可能性は100%ないので、次回どうなるかはわかりませんが、もう一回、今度は掛け金を1,000円単位にして競馬をやってもらおうと思ってます。通常、中央競馬は土日開催なんですけど、今回は日曜が新年初開催だったんで、日月開催だったんですよね。だから、実は、月曜も京都競馬場で馬券が買えたわけです。それを東京に戻ってきた後に気づいて、「あー、月曜も行っておけばよかった」と。それが帰省の唯一の後悔でした。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 7.Eコマースのひと工夫

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。