ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

楽天市場の料金体系変更についての考え方【no.0353】

 ちょうど一年前、何があったかを覚えていますか・・?

 そんなブログを10月になったら書こうと思っていたのですが、見事に楽天市場に先を越されてしまいました。楽天市場の出店者は、「重要なお知らせ」がきていると思うのでご存じと思いますが、楽天市場の料金体系が変更されることになりました。ちなみに、「一年前に何があったか」というのは、Yahoo!ショッピングの無料化です。あの「eコマース革命」から一年。今度は楽天市場が手を打ったわけです。

 主な料金体系の変更点としては、「楽天GOLD」「受注WEB API」など手数料が無料になるのが4機能。逆に、メール配信プランは無料枠を無くし、メール配信1通あたり0.75円を加算するようになる。商品価格表記は税込み価格に統一し、ロイヤリティ・楽天スーパーポイントの料率を税込み価格から計算する。また、安心安全で利便性の高いシステムを構築するための費用として、売上の0.1%が追加課金される。個人的には、この課金が「ナンジャソリャ?」という感じなのですが、詳細はネットショップ担当者フォーラムさんの記事をどうぞ。(記事はこちら

 これに関して、様々な議論が巻き起こっていると思います。しかし真意は私たちにはわかりません。これから市場がどうなるかも、わかりません。多くの出店者にとっては経費増になることもあり、ネットショップの運営がより厳しくなる、という意見もあれば、これにより撤退したり値下げを辞めたりするネットショップが出てくることで市場が最適化し、よりチャンスが生まれると考えている人もいます。

 そこで、私なりの意見を申し上げますと、少々乱暴な表現にはなりますが、「気にするな」ということです。過去を振り返ってみれば明らかですが、プラットフォームビジネスとはそういうものです。特に今回は無料化以降のYahoo!ショッピングを見て、楽天市場が強気に出られるという部分もあるでしょう。やっぱり、楽天市場にお客様がより集まっていることがわかった一年でもありますから。

 言ってしまうと、来年も再来年も、その次の年も、同じことが起こる可能性はあります。というか、起こる可能性が高いです。今後の負担増に耐えていくには、当たり前ですが、ネットショップとしての付加価値を高めていかなければいけません。所詮、プラットフォーマーの意向には逆らえないのですから、ショップ側として本当に考えなければいけないのはそちらです。付加価値の高い商品を開発し、安く作って、高く売れるようにする。そしてお客様からの信用を築き、自社をブランディングしていく。そこです。

 それが実現できると果たしてどうなるのか。それはプラットフォーマーからの卒業を意味します。そこまで来ると、もうプラットフォーマーのお世話にならなくても、お客様の方から自社のサービスを探してくれるようになるわけです。だったら、独自ドメインの自社サイトでネットショップをやればいいじゃん、という話になるんです。だから実は、楽天市場の料金体系変更も、向かわせているEコマースの未来は同じところにあります。課金をし続けた結果、生き残ったネットショップは、自社サイトでもやっていける競争力のあるネットショップです。プラットフォームを窓口のひとつとして利用できる立場になれます。

 さて、今日からできることです。まず、自社サイトを立ち上げましょう。そして、自社サイトのサービスは、ショッピングモールのサービスよりも、少しでもお得になるような設定をしましょう。毎月、顧客データを分析し、何人のお客様がショッピングモールから自社サイトに移行しているかを測ります。これをEコマース事業の重要な改善指標とし、改善活動の実践を尽くして成果検証を続けていきます。一気にでなくて大丈夫です。少しずつ、長く時間をかけて、ノウハウを蓄積しながらお客様に自社サイトの存在を知ってもらってください。

 思うようにお客様が移行してくれないのなら、残念ですが、結局自社のお客様ではなくショッピングモールのお客様だったということです。ひとまずその現実を受け止めましょう。ショッピングモールの出店者が自社サイトに移行できない理由の多くは、詰まるところそこにあります。ゆっくり、でも着実に、運用改善を進めながら、時間をかけます。一気に頑張ろうとするから、一気にテンションが落ちて、辞めてしまうんです。スタートするなら今です。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。