ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

市場で売れている商品にもっともっと目を凝らす【no.1236】

 ネットショップの売上は最終的には商品力で決まります。

*「市場ではどんな商品が売れているのか」を見よう

 どんなに広告を使うのがうまかったとしても、どんなに画像を撮るのが上手だったとしても、どこにでも売っているような商品だったら、残念だけれども売上は取れません。価格競争、サービス競争。いまでいうとAmazonのような存在に飲み込まれていってしまう方向にあります。

 もちろん、多少の足掻きはできるし、その足掻きで中小企業の規模なら満足できる売上は確保できる可能性もないことはないんだけれども、インターネットをそれ以上の販路にしようと思ったら、やっぱり商品力がないと厳しい。

 そこでネットショップの運営担当者がもっともっと見た方がいいのは、「市場ではどんな商品が売れているのか」だ。どこか自社のネットショップの商品を見るのもいいけれど、市場の売れ筋を常に把握しておきたい。ネットショップというのは「商圏ビジネス」ではなく「全国大会」。そして、「総取り」の世界なのだから、競合他店の丸かぶりの商品に負けていたら、原理的には「1円」も売上が入ってこないことになる。

 ネットの世界にはいいツールがある。楽天市場やYahoo!ショッピングの売れ筋ランキングや検索結果、Amazonにも売れ筋ランキングがある。価格.comを見て、売れている商品の傾向を探るのもいいかもしれない。市場の売れ筋の分析をするときに、気を付けたいポイントがふたつある。紹介したい。

*デザイン性×機能性×ブランド性

 市場の売れ筋を見るときに気になるのが、「どんな商品がいくらで売れているのか」ということ。この「どんな商品」と「いくら」を分解して、「デザイン性」「機能性」「ブランド性」という3つのポイントで売れ筋商品を分析していきたい。商品の価格は、「デザイン性×機能性×ブランド性」を掛けたもの。この掛け算が価格に見合わなければ商品は売れないし、逆に商品が売れている理由は「デザイン性×機能性×ブランド性」に対して価格がお得だといえる。

 ちなみに、この「デザイン性」「機能性」「ブランド性」は商材によって要素の強さが変わるので、自社の商材にとっての比重を考えることが大切。例えば「自動車」だったら、「機能性>ブランド性>デザイン性」で比重が高そう。ファッションだったら「デザイン性>ブランド性>機能性」かもしれない。「自動車」でも「ブランド性>デザイン性>機能性」というお客様もいると思うので、「自社がどんなお客様を対象にしているか」を決めることにもつながってくる。

*売れ筋の傾向の「変化」をみる

 データ分析と同じように大切なのは売れ筋の傾向の「変化」を見ること。ある一時点の売れ筋ランキングを見ることが役に立たないわけではないが、傾向の変化を見ることで「自社が何をすればいいか」が見えるようになる。商材が同じでも、自社と他社の商品企画は異なるわけだから、「どのポイントが自社が勝負できるタイミングなのか」を意識して分析していきたい。季節性、トレンド性ですね。

 傾向の変化を見て「長くランキング上位にいる商品」と「短期的にランキングに入ってきた商品」を仕分けしていく。当然、自社で商品企画をするときに目指したいのは「長くランキング上位にいる商品」。この「長くランキング上位にいる商品」の「デザイン性」「機能性」「ブランド性」を分析して、次の自社の商品企画に役立てていきたい。「機能性」の要素が強い商品であれば、比較的簡単に市場をひっくり返せる可能性がある。「デザイン性」の要素が強い商品はトライ&エラーが必要。

 自社の商品を見るのと同じくらい、市場の商品を見ることに時間を使いたいですね。

 おわり。

 

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 3.Eコマースの収益アップ

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。