ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

検索キーワードは「お客様の目的」を言葉に表したもの。【no.1253】

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「七海さんが挙げてくれた『おつまみ 焼酎』。このキーワードをネット検索する人って、どんな人なのか?そこからリスティング広告の広告文を考えてみませんか」

 麻間(あさま)さんが新しい提案をしました。リスティング広告の検索キーワードに紐づけをする、広告文を考えようというのです。

「ひとつ質問です」。七海さんがいいました。

「最初にリスティング広告を掲載したときの広告文、『宮城県の笹かまぼこ。笹かまオニギリネットショップ。宮城県で笹かまぼこを生産しているおにぎり水産のネットショップ。美味しい笹かまぼこを全国にお届けします』これじゃ、ダメなんですか?おにぎり水産ネットショップの認知を広げるために広告をかけるのだと思うので、別にこの内容でも悪くないと思うんですが」

「七海さんがいっていることの意味はよくわかります」。麻間さんがいいました。「でも、その考えが広告を失敗してしまいやすいパターンのひとつです。どの検索キーワードに対しても、同じ広告文を紐づけてしまうという」

 七海さんが、ちょっと理解できないというような顔をしました。友花里さんは麻間さんのいっていることがなんとなくわかっているようです。七海さんをなだめるように友花里さんはいいました。

「七海、そこがいま麻間さんが『おつまみ 焼酎』ってキーワードで検索する人の広告文を考えようっていっているところの意図なんじゃないかな。つまり、さっきみんなで考えた検索キーワードってのは、お客様が『何を探しているか』とか『何を求めているか』っていう目的を表したものなんだと思うわけ。たとえば『お中元 おつまみ』と『お歳暮 おつまみ』にはどっちも『わさび漬け笹かまぼこはどうですか?』って宣伝したくなるところなんだけど、お客様の目的は若干違う。それが『お中元』ってキーワードと『お歳暮』ってキーワードに表れているんだと思うんだよね」

 友花里さんの話をだまって聞いていた七海さんが口を空けました。

「ってことは、『お中元に最適なわさび漬け笹かまぼこ』と『お歳暮に最適なわさび漬け笹かまぼこ』って二種類のリスティング広告文を用意して、各々を『お中元 おつまみ』と『お歳暮 おつまみ』ってキーワードに紐づけた方がいいってことだよね?」

「そう。私は麻間さんの話を聞いていてそう思った。現実に『お中元』と『お歳暮』は時期が違うから、同じタイミングで広告をかけるってことはあまりないと思うんだけども、『お中元』を探している人には『お中元に最適』っていってあげた方がいいし、『お歳暮』を探している人には『お歳暮に最適』っていってあげた方が、お客様のテンションに合うような気がした」

 今度は、七海さんと友花里さんの話を聞いていた麻間さんが口を空けました。

「そうなんですよ。七海さん、変な疑問を持たせてしまってすいません。友花里さん、フォローありがとうございます。キーワード別に広告文をつくることのポイントは正にそこです。『お中元 おつまみ』で検索をするお客様は『お酒が好きな親戚(もしくは友人)にお中元を贈ろうと思うんだけれども、なんかいおつまみになるものないかなぁ』って思っていると思うんですね。このときにお客様の頭の中に浮かんでいる、『お酒』『親戚(もしくは友人)』『お中元』『贈る』『おつまみ』あたりに引っかかって『おっ!?』っと思ってもらえるような広告文を作りたいんですね」

 七海さんと友花里さんは揃って頷きました。「じゃあ、『おつまみ 焼酎』の広告文ですね」。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。