ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「自分のこだわり」を通し続けること。「市場に合わせる」こと【no.1254】

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 「ヒット商品の芽」を育てながら、商品の横展開をして「次のヒット商品の芽」を育てていきます。インターネット広告やインバウンドの検索、SNSなどを活用して「ヒット商品の芽」にアクセスを集めていきます。ネットショップ成長とはつまるとこと「どれくらいのお客様に知られているか」ですから、商品力があればアクセスを集めれば集めるほど、注文に跳ね返ってくるはずです。

 まずは「ヒット商品の芽」にアクセスを集中させる。そして「ヒット商品の芽」を「ヒット商品」に育てる。「ヒット商品」を購入してくれたお客様には、「ヒット商品」の横展開商品を提案する。「ヒット商品」を購入されなかったお客様にも、「ヒット商品」の横展開商品を提案する。「ヒット商品」を軸にしてマーケティングを回していきます。

 人はブランドを知り商品を知るのではなく、商品を知ってからブランドを知ります。Eコマースのマーケティングの場合はそれがより顕著です。

 「ヒット商品」を軸にマーケティングを進めていくと、自然と「ヒット商品」のデザイン性、機能性、ブランド性を求めるお客様がネットショップに集まってくることになります。横展開商品もしかりですが、「ヒット商品」を求めてネットショップに集まってくれたお客様が「次に欲しいもの」を提案していきます。

 そうすればおのずとネットショップのテイストが固まっていきます。「ヒット商品」を軸にした尖りが生まれ、「差別性」や「違い」が生まれてきます。

 もしかしたらネットショップを立ち上げたときに元々考えていたテイストやコンセプトと結果異なってしまうかもしれません。これは「良い」とも「悪い」とも言えないと思います。元々の自分がもっていたテイストやコンセプトを大切にするのも「良い」ですし、お客様の反応から作っていったテイストやコンセプトも「良い」と思います。

 ただ重要なのは、お客様が反応してくれている、選んでくれていることこそ「Eコマースという広い市場の中で『勝てる』こと」だということです。Eコマースの市場は商圏のない、いわば全国大会ですから、自分のこだわりを通し続けるよりも「市場に合わせる」ことが必要な場面もあります。ここがネットショップの難しいところですよね。

 ―――ここまで十数回にわたって中小企業のEコマース戦略のポイントについて紹介をしてきました。

 まず大切なのは最初の月商100万円を、お金をかけるのではなく「頭を使い、汗水を流して」つくること。月商500万円、月商1,000万円は月商100万円の仕事の延長でしかありません。規模と仕組みが変わるだけで内容は変わりません。最初の月商100万円をどうやってつくるかが重要です。

 そして「実行数値管理表」と「商品別販売実績管理表」を定期的に作成し、売上のポイントがどこにあるかを探り続けること。ネットショップの改善を進めていく中で、アクセスが増えても転換率(コンバージョン)が下がらない「ヒット商品の芽」を見つけることができれば、「0→1」から「1→100」へレバレッジをかけることができます。

 月商1,000万円も月商2,000万円も、月商100万円を達成することがスタートです。長くEコマースを続けるためにも、「頭を使って、汗水を流して」着実にノウハウを積み重ねてもらえればと思います。Eコマース市場は「買いたい人」よりも「売りたい人」が多い時代になりましたが、たかだかその歴史も20年。まだまだ突破の余地はあるはずです。

 おわり。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。