著者:石田 麻琴

「Amazonログイン&ペイメント」のメリットとリスクを一応書いておきます【no.0610】

すでに2週間近く前の話なので情報が出きっている感もありますが、「Amazonログイン&ペイメント」のメリットとデメリットについて書きたいと思います。

Amazonログイン&ペイメントとは何か?

今月、Amazonが「Amazonログイン&ペイメント」という新しいサービスを発表したのはご存じの方も多いと思います。これは簡単にいうと、Amazonのアカウントで買い物ができる、という機能。自社サイトに組み込んでおけば、「このネットショップで買いたいものがあるんだけど、いちいち会員登録とかするの面倒だな~」とか、「このネットショップで買いたいものがあるんだけど、このシステムにクレジットカード番号を入力して大丈夫かしら?」みたいなのが防げるというわけです。

自社サイトを営む人たちにとって、この「ユーザーに固有のアカウントを作ってもらわなくてはいけない」というのが重いハードルでした。いわゆる「カゴ落ち率」とかで一概に評価をすることはできませんが「このサイトで新しく会員登録するのは面倒だし、ログインIDとパスワード忘れるし、どうせメールマガジンが増えるだけだしやめとこー」と思って、Amazonや楽天市場のサイトにいって「同じ商品を検索する」というユーザーは多いのです。その改善度合いは「Amazonログイン&ペイメント」を導入しないとわからないですけどね。

顧客情報の管理はどのようになるのか?

しかし、「Amazonログイン&ペイメント」を導入することで不安になるのが顧客情報。ショッピングモールやAmazonでEコマースをおこなうのではなく、自社サイトを構えてEコマースをおこなうことのメリットは「顧客情報の獲得」と「ショバ代(ロイヤルティ)が無いこと」、あとは技術的な面で「システムの拡張性」なんかになると思うんだけど、「Amazonログイン&ペイメント」を導入しても「顧客情報」は自社サイト側に落ちてくるようです。

また「商品の販売情報をAmazonは取得しない」これも導入の上で重要。業界の方はすでに知っているとは思いますが、AmazonはAmazonサイトで売れた商品を細かく分析して、次のマーケティングに役立てているわけ。たとえば、私が「3Dメガネ(古い・・)」をAmazonに出品してバカ売れしたら、Amazonが自社の商品として売れないかをリサーチし始める、という仕組み。自分たちで売った方が、利益率が高くなるから。もちろん、これはルールに違反していないし、その仕組みを作ったAmazonが賢いんだけど、今回の「Amazonログイン&ペイメント」に関しては、端的にいえば「これをやりませんよ」と。

Amazonログイン&ペイメント導入のデメリットとは?

顧客情報が手に入ることと、販売情報が抜かれないこと、これが「Amazonログイン&ペイメント」を導入することのメリット。そして、これを全く逆にしたものが、デメリットというわけ。

永久にスタート時のルールが100%続くとは限りません。なんだかんだ他の理由をつけて、プラットフォーム側が条件を変えるのはよくある話。というか、当然の話。なぜなら、ビジネスだから。「Amazonログイン&ペイメント」を導入して注文が増えて、会社の規模も大きくなって、いきなり「明日から顧客情報にマスクをかけます。販売情報も抜きます」と言われても、もう「Amazonログイン&ペイメント」から抜け出せないでしょう。

もう8年くらい前のことになりますか。Yahoo!ショッピングが大規模なシステム変更をしたんですね。しかも12月の繁忙期に。そのシステム移行がうまくいかなくて、一時的にユーザーが登録しているアカウント情報が消えちゃったんです。ユーザーは「配送先情報」と「決済情報」を再度パソコンに打ち込まなければいけなくなりました。当時、私、Yahoo!ショッピングに出店していたんですが、売上が30%になりましたよ。30%減じゃないですよ。70%減です。それだけ、アカウント情報って重要なんですよね。

ちなみに、「Amazonログイン&ペイメント」を導入することで、自社のユーザーに合わせた「システムの拡張」を放棄することになりますが、そこはある程度レベルの高いネットショップの話なので、そこは割愛します。

よーく考えて、「Amazonログイン&ペイメント」をご検討くださいね。

おわり。