著者:石田 麻琴

「言葉」に工夫を施して、お客様にとっての「付加価値」をつける【no.0970】

 ちょっとした工夫でも、お客様にとっての「付加価値」をつけることは可能なのではないか。そんなテーマです。

 ポイントになるのは「言葉」です。言葉による商品の見せ方です。ここを工夫すれば、どこにでもある商品がここにしかない商品に生まれ変わります。商品自体に手を施すわけではないので、誰にでもタダでできる付加価値のつくり方です。

 ひとつ目は「名前」です。商品に名前をつけているでしょうか。メーカーで販売する商品には「ルンバ」や「レグザ」などの名前がついています。このような商品は「ルンバ」「レグザ」で販売するしかありません。しかし、自社製造のオリジナル商品やメーカー品番しかない仕入れ商品には名前はついていないと思います。

 ただ単に「アメジストのリング」とか「524-D(メーカー品番)」とか「ヒョウ柄ロングスカート」とかで販売していたとしたら、少しもったいないかもしれません。「アメジストのリング」は、他のネットショップで売っている「アメジストのリング」の中のひとつ。商品が同じ並びのものとしてお客様に見られることになります。

 ここで「名前」の登場です。「アメジストのリング・ヴィオレ」「アメジストのリング・ベッラ」など、同じ「アメジストのリング」でも別の名前をつければその存在が際立ちます。お客様としては「アメジストのリング」を選んでいるのではなく、「ヴィオレ」と「ベッラ」で迷ってくれるはずです。そしてお客様は「私はヴィオレにします」と言ってくれます。どちらも同じ「アメジストのリング」なのに。

 「アメジストのリング」とか「524-D(メーカー品番)」とか「ヒョウ柄ロングスカート」ではなく、「名前」をつけることによって商品に「違い」を出し「付加価値」をつくる工夫です。

 もうひとつです。「カラー名」です。商品には「ブラック」「レッド」「イエロー」「ピンク」などの色名がついていると思います。メーカーから仕入れたときについている色名や、商品を企画した段階で設定していた色名をお客様に提案しがちです。というか、そちらが通常だとは思います。この「カラー名」もちょっとした工夫をすることで、お客様にとっての「付加価値」になりえます。

 「カラー名」を自分たちで変えるのです。商品には「ブラック」「レッド」「イエロー」「ピンク」というような基本となる色名がついていますが、そこに明確な基準はありません。また、同じ「ピンク」でも薄めの「ピンク」があれば、濃い「ピンク」、明るい「ピンク」、暗めの「ピンク」もあるでしょう。「サーモンピンク」や「ショッキングピンク」など、一般的な色名に変更することが可能です。

 また、「カラー名」自体を自分たちでつくってしまうという方法もあります。例えば、パーティードレスに合わせる用のミュールがあったとします。ただ単に「ピンク」と色名を表現するよりも、パーティードレスに合わせる靴ならば「ミステリアスピンク」とかにした方がカッコよくないですか?お客様にとっても「ミステリアスピンクのミュールを買った」という印象が自分の中に残ると思います。個性を際立出せ、「違い」をつくることこそ付加価値です。

 「言葉」の工夫はちょっとした工夫です。頭を使って知恵を絞ればアイデアが出ます。そして、老若男女、誰でも着手することができます。しかもタダです。自社のサービスではどんな「言葉」の工夫を施すことができるか。ぜひ検討されてみてください。