ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

実は意外と「やりきれ」ていない競合調査。まず最初にやることは?【no.1072】

 競合調査・・という言葉がありますが、実は自社のネットショップの運営ばかり優先してしまって、意外とできていないものではないでしょうか。

 本気で、自信を持って、競合調査してます!って言える方、どれくらいいますか?

 たしかに、日々のルーチンの仕事を回している中で、競合のネットショップがどんな動きをしているかをチェックすることって難しいと思うんです。でも、競合調査は大切。だったら、日々のルーチンの中に調合調査という業務を入れてしまえばいいだけの話ですよね。

 競合調査に成功するためのファーストステップは、競合調査をするために時間をスケジューリングすること。「とりあえず、1回だけ・・」じゃダメですよ。必ず定期的に競合調査をする時間を取っておくことが大切です。競合調査もデータ分析と同じく「その変化」を見るものですから。

 時間は30分でも1時間でもいいと思います。定期的に・・の部分は週1回でもいいと思いますし、隔週1回でも構いません。1か月に1回は・・ちょっと少なすぎるかな。最低、隔週30分以上で樺りましょう。

 大切なのは、「同一期間同一条件」で競合調査をおこなうことです。そうでないと、変化をみるための「比較」になりません。隔週「火曜日」の「午後1時(昼飯後)」から30分、というように「同一期間同一条件」を設定してスケジュールを組んでいってください。

 ネットショップの担当者さん、ひとりだけの会社も多いと思いますが、できれば複数人でやるのがベターです。複数人で競合調査をすると、たくさんのネットショップを調査できるから・・ではありません。複数人で同じ競合のネットショップを調査するのです。捉え方が違う人同士が同じネットショップをウォチすることに意味があります。

 競合調査をするネットショップはひとつでも複数でも良いと思います。ここは競合調査をする目的で分けて選択をしましょう。

 ネットショップの全体の販売戦略の流れが見たい場合は、ひとつの競合のネットショップを徹底的に見るのが良さそうです。そのネットショップの「良さ」を知るためには、そのネットショップのお客様になってしまうのが一番。最初から複数のネットショップの販売戦略を追うのはやっぱり難しいと思います。

 ネットショップの部分的な取組みや改善が見たい場合は、複数の競合のネットショップをチェックします。たとえば、決済方法。競合のネットショップAとBとウチにどんな違いがあるか。こっちの方が便利だねとか、そっちの方の説明がよりわかりやすいね、みたいな話がしたいですよね。たとえば、商品画像。お客様が比較検討していると思われる商品を、どのように改善しているのか。「おー、こういう風に変えてきたねぇ」みたいなのが見えてくると理想です。そのためには、やっぱり継続的にウォッチをして「変化を探し続ける」しかない。

 大切なのは議事録を取っておくこと、気づいたポイントが「効果がありそうか」「効果がなさそうか」を予測して記しておくこと。文字で残しておかないと、どうしても忘れてしまいますから。どんなポイントに気づき、どう思ったかを積み重ねる。

 次に競合調査をしたときに、改善が元に戻っていたら「あまり効果なかったのかな」という予測ができますし、同じ改善を他の商品にも展開していたら「効果があったのかもしれない」というように自社の改善への参考にもなります。やっぱりすべてが繋がっているんですね。

 ネットショップの良いところは、店舗の比較が簡単にできること。競合調査もきっちり「やりきり」たいものです。

 おわり。

 

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 5.Eコマースの分析, 7.Eコマースのひと工夫

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。