ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

オーナー経営者の時代が到来する2つの理由。【no.0190】

 オーナー経営者の時代が到来する2つの理由。(2014年3月のコラムです)

 これからのビジネスは、オーナー経営者の時代になります。今日は、そんな話。

*判断スピードの速さでオーナー経営者は有利

 では、なぜオーナー経営者の時代になるのか。1つ目の理由は、デシジョン(判断)スピードの速さです。複数人の経営者に加え、株を保有しているオーナーが複数人いる状態では、事業の方向性を決めるのに時間がかかります。ことインターネットビジネスはスピードが命です。「東京で流行したアイスクリーム店のビジネスモデルを真似て、大阪でひと儲けしよう」。こんなリアルの世界ではよくある方法が、インターネットビジネスでは通用しません。

 インターネットビジネスは、最初に取り組んだ人(もしくは企業)が圧倒的に有利です。先行者の成功事例を参考に同じようなビジネスを始めたら失敗事例にしかなりません。なぜなら、最初に取り組んだ企業が全てを取りつくしているからです。成功モデルはすでに失敗モデルなんですね。先行者であり、かつ改善が進んでいる事業を目指さなくてはいけません。決定と判断のスピードが早いオーナー経営者の企業が勝ちやすいに決まっています。

*事業の差別性でオーナー経営者は有利

 さて次です。2つ目の理由は、オーナー経営者は、事業のエッヂ(尖がり)を作りやすいこと。ご存じのとおり、情報過多の時代です。消費者がモノを手に入れること自体に価値を感じていない時代です。お客様のニーズは非常に細かく細分化されています。モノを通じての体験や感動、ライフスタイルの変化が求められている時代です。そんな中で必要なのは、エッジ(尖がり)です。ある一定の顧客層に「私のためにあるモノだ!」と言ってもらえるサービスです。

 では、エッジの効いたサービスは合議制の会議で生まれません。みんなが理解し、納得するサービスは、エッジの効いたものにはなりません。ことインターネットの世界であれば、見つめてもらえることすらありません。会議の参加者10人のうち、9人はつまらないと言うけれども、1人が圧倒的に面白いと思うサービス。100人に1人でも、1000人に1人でも「絶対的に必要」と思ってもらえるサービス。これが、エッジの効いているサービスです。オーナー経営者だからこそ、エッジが効いている方に事業の舵をとることができます。

*会社の規模を大きくすることは有利に働くのか

 これからの時代、会社の規模を大きくすることが有利に働くことになるのでしょうか。これからのビジネスは1事業で100億円の売上を持つのではなく、10事業で100億円の売上をあげるビジネスです。もしくは、100事業で100億円の売上をあげるビジネスも良いのかもしれません。そのためには、前者であれば10人、後者だと100人のオーナー経営者的な人間が必要になります。

 お客様のニーズは細分化され、1つ1つのニーズがより深くなっている。その深いニーズに対して「1番」になれるサービスだけが生き残ります。1人の経営者で複数のサービスを24時間考えるのは不可能です。やはり勝つのは、1人で1つのサービスを24時間考えているオーナー経営者です。そんな人財を、会社に何人抱えているか。これが企業として事業として、売上としての成長幅になるのではないかと思います。

 みなさんの会社にはそんな人材、社内に何人いますか?

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。