ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップのチャネル展開、ブランド展開の優先順位【no.0346】

 ネットショップの規模別の課題「月商500万円」のフェイズ。(前回はこちら

 本店サイト(メインとなるネットショップ)の月商が500万円、多店舗展開、ブランド展開のスタートというと、こんな状態がステップとして考えられるのではないでしょうか。

①.楽天市場店(ショッピングモール)が本店サイトの場合
 ・楽天市場店の売上、月商500万円
 ・Yahoo!ショッピング店の売上、月商100万円
 ・Amazon店の売上、月商50万円
 ・独自ドメイン店の売上、月商50万円
 ・楽天市場店の商材を分けた姉妹店(ブランド展開)の売上、月商200万円

②.独自ドメイン店が本体サイトの場合
 ・独自ドメイン店の売上、月商500万円
 ・独自ドメイン店の商材を分けた姉妹店(ブランド展開)の売上、月商100万円

 まず①は、楽天市場やYahoo!ショッピングなど、ショッピングモールに出店しているネットショップが、月商500万円の本店サイトになっている場合です。お客様に商品名や型番で検索される商材(家電、ブランド商材、本など)を扱っているネットショップはAmazonに優先して出店、商品名や型番で検索されない商品(ファッション、食品、家具など)についてはYahoo!ショッピングやDeNAショッピング、ポンパレモールなど、ショッピングモールに販売チャネルを展開していきます。

 また、月商500万円に到達しているならば、ネットショップ・ショッピングモールでの販売ノウハウを持っていて、かつ、定期的に購入いただけるお客様がいるということですから、ブランド展開がしやすくなります。本店サイトのお客様に新しく提案できる商材を探したり、企画したりして販売することも可能ですが、より安全にブランド展開を進めていくならば、本店サイトのネットショップを「商材で分ける」もしくは「コンセプトで分ける」のが良いでしょう。

 ②は、独自ドメインサイト(自社サイト)が月商500万円の本店サイトになっている場合です。自社ドメインサイトでお客様の流入を確保できているならば、「ブランドとしての認知がある」もしくは「商品・コンセプトが尖っている」のいずれかですから、わざわざショッピングモールに展開する必要はないと思います。となると、本店サイトをより伸ばしつつ、独自ドメインのネットショップ成長のノウハウを活かして、姉妹店・ブランド展開をより推進していきたいところです。こちらも、同じショッピングモール内での店舗分割と同じように、「商材」「コンセプト」を分けて姉妹店を立ち上げるのが良いです。

 同じショッピングモール内で複数のネットショップを展開する。独自ドメインサイトの姉妹店を立ち上げる。両方ともポイントは、現在のお客様へ新しい商品とサービスの提案をすること、そして、より商品とサービス、コンセプトを絞って、訴求力の強いネットショップにすることにあります。販売チャネルを増やす場合は、本店サイトのコンテンツを活かしてお客様の入口を増やすことがポイントですね。

 チャネル展開、ブランド展開の優先順位についてです。①では、本店サイトである楽天市場店、Yahoo!ショッピング店、Amazon店、独自ドメインサイト店、楽天市場内の姉妹店の5つのネットショップを挙げていますが、本店サイト1店舗から、いきなり5店舗に展開しても、運用がついていかずどれも中途半端になってしまいます。現在の本店サイトの状況を鑑みて、優先したいのは姉妹店の立ち上げです。姉妹店の可能性が難しければ、Yahoo!ショッピングもしくはAmazonにチャネル展開をしていきます。①のパターンならば、独自ドメインサイトは最後にチャレンジ。②のパターンなら、姉妹店の企画を進めていきます。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。