著者:石田 麻琴

「お客様がどのタイミングで何を食べたか」を取得する。 【no.0136】

(前回はこちらからお読みください)

 データを活用して、廃棄率75%減を実現した、スシローのデータマーケティングを解明しよう・・の第四回です。

*「お客様がどのタイミングで何を食べたか」のデータ

 前回は、寿司と皿のデータを紐づけるシステムについて書きました。自動廃棄を実現するとき、寿司を判断して廃棄をするのではなく、皿を判断して廃棄をするということですね。なぜならば、寿司を乗せている皿(もしくは皿のようなもの)に、ICチップを付属させているから、です。もしもセンサーで寿司を判断する仕組みが実現できるならば、ICチップは必要なくなりそうですね。いかにして流れている寿司をデータで判断できるようにするかという話でした。

 さて、商品データと皿データ、そしてその紐づけシステムを考えたところで、いよいよデータの取得ということになります。

 廃棄率75%減を実現するため、回転寿司の需要予測を実現するためには、「お客様がどのタイミングで何を食べたか」のデータを取得することが欠かせません。廃棄率75%減というのは、あくまで回転レーンに寿司を流してお客様の需要を取り込みながら、なおかつ廃棄率を減らすということです。

 もし、廃棄率を100%減にしたいならば、「回転レーンに寿司を流さない」ことで簡単に実現可能です。しかし、これではお客様の需要を取り込めていないことになります。売上減にもつながってしまうことでしょう。需要に対しての供給を保ちつつ廃棄を出さない、ということがテーマです。バランス感覚なのですね。

*「お客様が食べた」データは注文データ

 では「お客様がどのタイミングで何を食べたか」のデータを整理していきます。つまり、注文データです。注文データとして取得するものを並べてみます。

・注文ID:お客様の注文毎にレコードに追加されるデータを識別する固有のID。

・顧客ID:仮に会員カードがあった場合に、来店時にログインができる仕組み。これが実現できると戦略上非常に有利なので、後程説明します。

・テーブルID:お客様が座ったテーブル番号。顧客IDがない場合は、テーブルIDを使って「どのお客様がどの寿司を食べたか」を集計する。

・座席ID:お客様が座った席番号。店舗内のカウンターにお客様が座った場合に使用。

※テーブルIDと座席IDはまとめて「位置ID」としてしまった方がスムーズかもしれない。テーブルや座席毎にある注文パネルの番号を「位置ID」として設定する。

・商品ID:お客様が食べた商品のID。回転レーンから取った寿司だけではなく、注文パネルを使って個別に注文した寿司も含まれる。

・個別注文フラグ:注文パネルを使った個別注文をした場合にデータベースのフラグにチェックが入る。チェックが入らない寿司については、回転レーンから取った寿司とみなす。

・注文時間:注文パネルを使った個別注文の場合に、注文した時間。別途配達時間のデータを取ることによって、注文から配達までの時間が計算できる。今回のテーマからはズレるが、データを取っておくと改善に役立つ。

・配達時間:注文時間の説明内容に同じ。個別注文商品をテーブルに届けた時間。

・回転レーンから取った時間:お客様が寿司を回転レーンから取った時間。言葉としてどう表現すればいいかがわからなかったので「回転レーンから取った時間」でご容赦ください。

 他にも、同一の寿司を注文した場合(例えば、まぐろ4皿とか)、「皿数」というデータ項目を設定することができるのですが、今回は、回転レーンから取る寿司がテーマなので、1レコード1皿としてデータを取得することを考えてみます。

 また、一見すると「回転レーンに乗った寿司の廃棄率75%減」を実現するために、個別注文のデータ履歴は必要なさそうな気もするのですが、このデータを取ることにより、お客様1グループあたり「どのくらいの皿を食べるか」「食べる皿のうち、回転レーンから取る比率はどのくらいなのか」を知ることができるので、ここは活用していきましょう。(「食パワー」という文言もありましたし)

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