著者:石田 麻琴

寿司ネタと皿をいかにして、データで紐づけしているのか。 【no.0134】

(前回はこちら

 データを活用して廃棄率75%減を実現した、スシローのデータマーケティングを解明しよう・・の第三回です。

 前回は、回転寿司システムを「構築」「運用」のふたつのフェイズに分けるということと、「構築」の段階に必要な商品マスターについての説明をしました。

*寿司と皿を紐づける「皿データ」

 商品データと共に必要なのが、皿データです。これは回転レーンを流れる寿司と、皿を紐づけるために必要になります。まぐろやイカ、たこ、イクラ、そしてシャリにICチップをつけることはできないので、寿司をのせる皿にICチップを付け、廃棄の管理をすることになります。もちろん食べられるICチップがあるならば、そっとシャリの中に忍び込ませるということもできます。

 寿司ネタと皿を紐づける方法は2つあります。1つ目は、皿ごとに乗せる寿司ネタを先に決めておく方法。つまり、寿司ネタごとの専用の皿を用意しておくということです。2つ目は、寿司ネタを乗せた後に、皿(ICチップ)に対して、どの寿司ネタを乗せているか、定義する方法です。

 前者の場合、皿と寿司ネタを組み合わせて回転レーンに乗せるという単純作業になりますが、寿司ネタの種類分の皿を用意しておかなければならないデメリットがあります。後者の場合は、皿と寿司ネタを回転レーンに乗せる直前に、この2つを紐づけるシステムの作業が必要になります。前者は、「皿と寿司ネタを組み合わせる」という手作業が必要になり、後者についてはシステムで「皿と寿司ネタとを紐づけるボタンを押す」という手作業が必要になります。

*第三の手「画像認証」のシステム

 手間とコストを考えたときに、おそらく、スシローは後者の方法を選択していると思います。やはり、寿司ネタ分の種類、皿を用意しておくのは大変ですし、仮に特定の皿が出すぎたときに対応ができなくなります。もちろん、その非常事態ですらデータでマーケティングしてしまう可能性もありますが、それでも柔軟なのは後者の方です。

 しかしながら、前者の方法、後者の方法とも、「人による選択作業」が関わってくるので、当然、ミスが起こる可能性があります。選ぶという手間のコストももちろんあります。そこで、第三の手として考えられるのが、画像認証のシステムです。顔認証と似たようなシステムを使い、回転レーンに乗った寿司ネタの画像を撮り、その画像データを商品マスター上の寿司ネタの画像と照合、そして結果として、皿のICチップと乗っている寿司ネタが紐づけられることになります。

*人為的なミスをいかにしてカバーするか

 寿司ネタの画像認証がうまくいくのかが課題かと思いますが、そこがクリアできれば実現が可能です。もしくは、体温計のようなアイテムを使って、寿司ネタに触れた途端に、何のネタかを識別するシステムとかがあるのかもしれません。このあたりはうかがい知れない部分ですが、いずれにせよ人為的なミスを防ぐために、何らかのデジタルな仕組みが考えられそうです。

 現実的には、握る寿司ネタとその数をマーケティングデータとして抽出するシステムと、皿のICチップに寿司ネタを紐づけるシステムが連動していて、「寿司皿はきだし君」みたいなものから出てきた皿に寿司ネタを乗せていく、みたいな流れなんじゃないかと思いますが、これでも「寿司ネタを間違えて皿に置いてしまう」という、人為的なミスが起こりそうです。皿と寿司ネタがセットになった後に、データの紐づけをした方が安全だと思うのですが、実際どうなのでしょうか。ここまで紹介した方法の派生か、組み合わせによるダブルチェックがあるのかもしれません。

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