著者:石田 麻琴

自分が知らないことは、必ず誰かが知っている【no.0355】

(2014年のコラムのリライトです)

 ネットショップの運営者時代の話。(前回はこちら

 会社の難攻不落の課題として「在庫の自動引き当て」のシステムがありました。ネットショップで販売している商品は、全て在庫を抱えているわけではありません。在庫がある商品、メーカーへの発注が住んでおり予約として注文を受けている商品、注文を受けてからメーカーに発注をする商品、この3パターンがありました。

 お客様からいただく注文のパターンも様々です。倉庫に在庫があり、すぐに商品を発送できるものもあれば、合わせて予約注文の商品を購入されていることもあります。予約注文の商品と、受注後発注の商品を同じ買い物カゴで購入されていることもあります。基本的には頂いている送料の関係上、全ての商品が倉庫に揃い次第(つまり在庫になり次第)の発送になります。これをどうすればシステム化できるか、という課題でした。

 全てのお客様がひとつの買い物カゴあたり1商品だけを購入しているのであればシステムは簡単です。すべての商品が在庫アリであれば、それもシステムは簡単です。しかし、一度の注文で複数の商品を購入するお客様がかなりいます。在庫がある片方の商品を残しておきながら、もう片方の商品を待たせておくにはどうすればいいか。その優先順位づけをする関数を作ることができれば、解決できるかもしれない、と通勤電車の中で閃きました。

 出社して、インターネットで「エクセル データ 順位付け」のように検索したのですが、完全に該当する例がありません。どう表現をしてインターネットで検索すればいいか、行き詰ってしまいました。結局、利用したのが「Yahoo!知恵袋」でした。シンプルな解決法でスイマセン。しかしながら、いままで仕事で「Yahoo!知恵袋」を活用するという発想はありませんでした。「Yahoo!知恵袋」になぜ書き込んだかというと、以前の投稿に似たような質問があったからでした。

 アクセスを使って、こういう優先順位を付けたいんです。そう投稿すると、数時間とおかず返信が返ってきました。あまりにすぐに返ってきたので驚きました。と同時に、「そんなもんか」という感覚もありました。そう、アクセスや関数を知っている人にとっては、特段難しくないプログラムだったんですね。それを自分の中で、あれやこれやと悩んでいたのがバカらしくなりました。「なーんだ。詳しい人に聞けばいいだけじゃん」と。

 そして、「Yahoo!知恵袋」で返信をいただいた関数を利用して、これまで難攻不落の課題だった「在庫の自動引き当て」のシステムは、テストを入れてわずか2日間で完成してしまいました。いままでずっと悩んできたのに。いままでずっと手作業で30分くらいかけていたのに。「Yahoo!知恵袋」に投稿しただけで、時間にして3分、ワンクリックで解決するシステムができてしまいました。

 自分達のサービスに合わせたシステムが組みたいということで、バックヤードのシステムを自社で構築していました。ソリューションシステムを活用すれば簡単に解決したことかもしれないし、当然、スクラッチでシステム会社に構築してもらえば、簡単に解決したことだと思います。そんな中で、下手くそながら自分でマスターデータを作成し、データベースを作成し、受注システムと物流システムを構築する経験ができたのは大きな財産です。

 ネットショップのバックヤードの仕組みというのは、ネットショップの運営を経験した人でしかわからないものです。元々ネットショップを運営していた会社のクラウドソリューションが選ばれているのは当然のことだと思います。実は、ネットショップはフロントヤードの情報よりも、バックヤードの情報の方がはるかに不足しているのです。もはやネットショップも部分最適ではなく、全体最適の時代ですから、よりバックヤードのノウハウが重要視されていくと思います。

 このシステム構築の仕事を通じて学んだことは、データベースやシステムの概念という知識の部分だけではなく、「自分が知らないことは、必ず誰かが知っている」そして「それは自分が思っているほど難しい課題ではない。人にとっては当たり前のことである」ということでしょうか。

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3 コメント

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