ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「売上ゼロのフェイズ」本当の課題は、ネットショップを続けられるか。【no.191】

(前回のブログを読まれていない方は、まずこちらからお読みください)

 ネットショップの規模別課題「売上ゼロのフェイズ」というブログで、イーコマース事業をスタートさせたばかりの頃に起こる課題として、「ネットの専任担当者を置くか否か」「Web制作のスキルのなさを外注で補うか、採用で補うか」という話をしたのですが、もっと現実的な話、売上ゼロのフェイズで起こる問題は、「ネットショップを続けられるか」でしょう。

 オープン直後にインターネット広告をかけたり、母体となるビジネスの顧客リストを流し込んだりしなかった場合、開店したばかりのネットショップは売上ゼロです。アクセスもほぼゼロ。たまに、どういうわけかチョロチョロお客様が来店して、なぜだかわからないが商品が売れるってことも起こるのだけれども、これも「アクセスされた理由、商品が売れた理由がわからない」「自分達が起こしたアクションによるものではない」と思われる場合、売上ゼロのフェイズと同じでしょう。

 たとえば、パンのショップをオープンしたとします。お客様の来店を心よりお待ちし、レジの前に立っているのだが、一向にお客様がくる気配がない。たまにお客様が通りかかっているようだが、ネットショップなので「いらっしゃいませ」と声をかけることができない。このフランスパンがお薦めですよ、お子さんにはこのクリームパンが喜ばれますよと提案することもできない。ただ、ボーッと立ったまま、時だけが過ぎていく。オープンしたばかりのネットショップなんてそんなもんです。

 これが実店舗であれば、特別辺鄙なところにお店を出したわけでないならば、朝昼晩、多少ショップの前に人どおりがあって、「おっ!ここは新しく開店した店か!」「なんか、作りたてのパンのいい匂いがするー!」「駅前のパン屋さんより、こっちの方が近いわね!」みたいな感じで、お客様が「目に見えて」来店(入店)してきてくれて、商品をみてもらえたり、接客したりする機会がありますよね。しかし、ネットショップではお客様は見えないし、声をかけることもできない。だから、スタートしたばかりのネットショップの担当さんってとても孤独なんです。なんにも反応がないから

 ここで売上ゼロのフェイズの課題です。お客様がいつなんで来店したのかがわからなくて、そもそも売れないし、売れたとしても理由が全くわからない。レジの前に立っていても、反応がないのでつまらない。だからといって、レジの奥の控室に下がって、お客様を待って座っていちゃいけないってことなんです。ポップを出して商品を紹介したり、商品の数を増やしたり、お店のレイアウトを変えたり、はたまた看板を変えたりして、全く反応がなかったお客様が、「自分が行ったアクション」に対して、何かしらの反応をしてくれるまで、ネットショップを動かし続けなきゃいけないわけですね。ここが、最初にクリアすべき壁である「ネットショップを続ける」ということです。

 ネットショップを外注さんに作ってもらったり、ネットショップ運営ができる人を採用したり、ネットショップ専任の担当をつけたりしても、ごく一部のブランドがあるショップ以外、いきなりお客様からのリアクションがあることはまずありません。仮に、いきなり反応があったとしても、それは「理由のわからない反応」なので、自分がコントロールできるものではないですよね。売上ゼロ、アクセスゼロ、お客様の反応ゼロの「南極に毛布一枚状態」を耐え、いかにして突破できるかが、ネットショップを始めた最初のフェイズでの本当の課題です。ここでイーコマース事業をやめてしまったらそこまでですし、続けられれば次のステージに進むことができます。どこまで続くかわからない長い道ですが、市場があれば、必ず可能性はあります

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。