ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

モノゴトは「頭の外」で管理する。そうすればもっと今に集中できる【no.0882】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

 七海さんと友花里さんは、ネットショップのカイゼンを進めるとともに、その成果の数字を検証していました。

 例えば、「笹かまオニギリの商品画像を変える」というカイゼンに対して、商品ページごとの転換率(コンバージョン率)を検証していました。これは麻間(あさま)さんの指導により、画像カイゼン管理のエクセルを作成し、運用をしています。

 カイゼン施策とスケジューリングはセット。カイゼン施策の工程を分ける因数分解することができれば、スケジュールに落とすことも可能になる。さらにカイゼン施策とスケジューリングと成果データの検証はセット。自分たちがおこなっていた施策が成果に繋がっているかを少しでも感じることによって、1%1%ずつ施策の精度を上げていくことができる。麻間さん、そして猪井氏(いいし)先生の教えです。

 画像カイゼン管理のエクセルシートは2つのエクセルからできています。

 ひとつは、おにぎり水産ネットショップ「笹かまオニギリ」で販売されている商品の、どの商品の画像カイゼンが進捗しているのかを管理するエクセル。七海さんと友花里さんのふたりは、「笹かまオニギリ」実店舗で販売している商品を少しずつ掲載していたため、登録商品数は50商品を超えるようになっていました。

 エクセルの項目としては以下のような形式をとりました。

1.商品ID:ネットショップで販売している商品の登録ID。おにぎり水産製造の商品と仕入れの商品が区別できるような商品マスターを作成している。

2.商品名:商品IDをキーにして、商品マスターからデータを引っ張ってきている。

3.サムネイル画像:商品一覧ページやスマートフォン版でメインに使われる画像。画像をカイゼンしたらチェックを入れる。

4.PC版メイン画像:パソコン版の商品ページでメインに使われる画像。画像をカイゼンしたらチェックを入れる。

5.盛り付け画像:パソコン版、スマホ版の商品ページで使われる、商品を盛りつけた画像。画像をカイゼンしたらチェックを入れる。

6.モデル画像:パソコン版、スマホ版の商品ページで使われる、モデルさんが実際に商品を食べている画像。画像をカイゼンしたらチェックを入れる。

7.画像カイゼン日:最初はカイゼン予定の日にちを入力。カイゼンが終了したら、実際にカイゼンをした日を入力。

 このような形で、ページカイゼンのエクセルを作成しておくことで、カイゼンの優先度が高い商品から漏れなく商品ページを更新していくことができました。

 また七海さんと友花里さんは、管理エクセルを使うことの他の価値も感じていました。カイゼンの項目やカイゼンのスケジュール、カイゼンの済・未済のチェック、カイゼンの優先度をエクセルに落とすことによって、スムーズに仕事を進めることができるということです。

 それまでは物事を自分の頭の中で管理していることが多くありました。「あれをやるのを忘れていた」「これが終わったらあれをやらなきゃ」「さっき思いついたことなんだったけ?」と、頭の中で管理をしていると、どうしても仕事のモレが起ったり、いまの仕事に集中できなくなったりしてしまいます。

 頭の中にあることは、まず紙に落とす。項目、工程、スケジュール、優先度はすべて頭の外で管理するようにしたことで、いま自分たちが向かっている仕事を淡々と、気持ちが逸れることなく集中して迎えることができるようになりました。

 これによって七海さんと友花里さんは「頭の外で管理する」という大切な習慣を身につけることができたのです。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。