ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

新しいチャレンジに自ら飛び込み、自社と己の成長の機会とす【no.0887】

 少し高額な商品を仕入れてみようかと思うのですが、どう思いますか?

 先日、ECMJのクライアントさんからご相談を受けました。

 現状、こちらのネットショップで販売している商品よりも、3倍から4倍の価格のものです。もちろん、価格なりのいいものではあるのですが、はたしてネットショップのお客様が付いてきてくれるのかという不安もあります。

 ただ、ネットショップとしてのひとつの成長の機会だと捉え、「やってみていいんじゃないですかね」という返答をさせてもらいました。

 こういった新しいチャレンジの判断をするときに、必要なのはチャンスへの可能性でなく、ロスした場合のリスクです。高額な商品を100コ仕入れて、100コ残ってしまう可能性があるなら、あまりにもリスクが高すぎます。今回の場合は、10コ程度の仕入れということだったので、あまりリスクは高くないと判断しました。

 幸いなことに、このネットショップさんには固定のファンがおられます。シーズンのたびに商品を買い替えられるお客様がおられ、売上の土台を支えてくれています。新しく仕入れる高額商品は、通常商品の3倍4倍の販売単価になりますが、これらのロイヤルカスタマーの皆さんにはすんなりと受け入れてもらえるのでは、という期待もあります。ここはあくまで期待です。

 そして、やはり最も大切なのは、この高額商品を仕入れることで、ネットショップがワンステージ、ツーステージ成長するための機会になることだと思いました。

 いままで販売したことのない高額の商品を売るためには、「どうやったらこの商品を買ってもらうことができるか」を考えなくてはいけません。既存の商品から1マーク、2マーク(1,000円2,000円)上の価格ではなく、3倍4倍という価格なのですから、いままでと同じ売り方を「ちょっと工夫する」程度ではお客様に反応してもらえないことが想像つきます。

 いまのお客様に高額な商品を伝えるにはどうすればいいか、をいままでのネットショップ販売の概念の上に作り上げるのです。

 現状の商品ページに追加しているコンテンツでは足りないかもしれません。高額の高額たるゆえんを伝えるストーリーのコンテンツが必要かもしれません。商品の素材の違いを伝えるための動画を撮影して、掲載した方がいいかもしれません。仕入先のブランドの紹介コンテンツも必要かもしれませんし、商品の発売を盛り上げるために数ヶ月前から情報を発信しなければいけないかもしれません。

 また、コンテンツづくりだけではなく販売方法も新しい手法にチャレンジしたいところです。10コという限定の商品なわけですから、ロイヤルカスタマーの方に優先的な予約の権利を付与してもいいかもしれません。実店舗で商品のお試しをできるようにしたり、実店舗で商品を確認した方のみの販売にしたりする方法もあります。高額商品専用のダンボールで商品を発送するのもいいかもしれません。

 新しいことを成功させるためには、新しい発想が必要になります。「この商品、ちょっと高いし売れるかなぁ~」という不安はありますが、新しいチャレンジには不安はつきもの。新しいチャレンジに自ら飛び込むことによって、さらなる成長の機会にするのです。

 ちょうどこちらのネットショップさんも、これからより商品力を強化し、自社独自のブランドを確立していこうと考えているところです。その予行演習という意味でも(ちょっと高額ですが)新しい商品の販売へのチャレンジが、さらなるレベルアップをもたらすのではないか、そう期待しています。

 おわり。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。