ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「型番商品」と「オリジナル商品」のメリット・デメリット、戦略の違い。3【no.0964】

(前回はこちら

「オリジナル商品」の情報発信は、「課題解決」を軸とした内容で展開していく

 ネットショップで取り扱っている「オリジナル商品」の存在は知らないけれども、その「オリジナル商品」を使うことで解決できる課題を抱えている方、この方たちが「オリジナル商品」の対象になるお客様ということになります。

 「オリジナル商品」の存在を知っているお客様よりも、「解決できる課題」を抱えているお客様の数の方がはるかに多いはずです。情報発信を続けていくことにより、インターネット上のこの層のお客様にリーチしたいわけですね。

 「オリジナル商品」の場合、「課題解決」を軸に発信を展開していかなければいけないということを十分に理解しているかどうかは、販促活動・宣伝活動にも関わってきます。「課題解決」軸を理解していないと、商品名を連呼した広告や高スペックばかりを謳った販促になってしまうんですね。思い当る節がある方もいるのではないでしょうか。

「オリジナル商品」の場合は自社サイトとの相性が良い

 「型番商品」はショッピングモールを活用しての販売が向く、という説明をしましたが、「オリジナル商品」の場合は自社サイトとの相性が良さそうです。そこもやはり「課題解決」の情報発信がセットでなければいけないから、ということになります。「オリジナル商品」を販売する場合は、「集客」にたくさんの時間をかけてネットショップ運営を展開していってください。

 ちなみにですが、ネットショップで販売している商品は「型番商品」「オリジナル商品」それぞれでも、ネットショップそのものの存在や運営している会社の存在は「型番」ではなく、すべてが「オリジナル」です。どこにでもあるような会社はあっても、全く同じ会社は無いはずです。

 現在、ほとんどの会社が自社独自のホームページ(コーポレートサイト)を持っていると思いますが、このホームページの活用についても先に紹介した「オリジナル商品」の考え方が役に立つと思います。

ホームページづくりの役にも立つ、「課題解決」の情報発信

 すでにブランドがあり一般認知があるごく一部の会社以外、ホームページの役割は「自社のことは知らないけれども、自社のサービスで解決できる課題を抱えているお客様」にリーチをすることだと考えられます。そのために必要なのは「課題解決」をベースにしたホームページづくりです。

 「オリジナル商品」を知らないお客様が「オリジナル商品」の型番・品番・商品名でインターネット検索をしないことと同様、「自社のサービス」を知らないお客様が「自社のサービス」についてインターネットで検索することはありません。課題についての解決法をインターネットで探し、その結果として「自社のサービス」の存在を知る、というのがセオリーの流れなのです。

 定期的に「課題解決」の視点から、自社のホームページを見直してみるのもいいかもしれませんね。ネットショップと同様、ホームページも「作って終わり」のものではないということです。

 ここまで「型番商品」と「オリジナル商品」のメリット、デメリット、戦略について紹介をしてきました。個人的にはやはり「オリジナル商品」を企画・開発し、頭を使って汗を流して認知を広げていくことが大切なのではないかと思っています。自分のコントロール範囲を広くしてビジネスができます。

 結果的にどれが正解だったのかは10年後20年後にしかわかりません。一見無駄打ちに思えたとしても、とにかく「課題解決」を軸にした情報発信を続けることが大切なのではないでしょうか。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。