ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

改善のアイデアは、絞れば絞るほど生まれてくる。絞らなきゃ生まれない。後【no.1048】

 前回(8/4)の続き。

 ネットショップの名前を変えました。

 というのも、実店舗を持っている会社ながら、いままで別の名前でネットショップを運営していたのです。ネットショップの名前を実店舗の名前に変えることで、実店舗を知っている方、来店された方がより安心して購入しやすくなるのではないかと考えました。

 また、実店舗というのは「ブランド」です。長く実店舗を営まれてきた方は、実はあまり気がつかないことかもしれませんが、その存在自体が「信用」になります。ネットショップに欠けているものは「信用」です。実店舗の存在をアピールすることによって、お客様からの信頼感は格段に高くなります。

 次に考えた付加価値は「おまけ」をつけることでした。「型番商品」ですから、どうしても商品が横並びになります。同じ画像の商品がずらーっと並んで、その中からお客様が「どの商品を買うか」ではなく「どのショップで買うか」を選んでいるわけです。工夫をすることによって、ひとつだけ違う色を出したいわけです。さて「おまけ」です。ここは商品の利用シーンを考え、「解説本」を付与することにしました。この商品を購入して、この解説本を読めば、今日から商品を十分に使いこなすことができますよ、というわけです。

 そして、「おまけ」の他に、メンテナンスの安心感をサイトでうたうことにしました。前述したとおり、もともとは実店舗をベースにしている会社さんです。ですから、ネットショップで購入いただいた商品をお送りいただいたり、実店舗に持ってきていただければ商品を修理することができます。ネットショップだけで商売をしている会社さんにはなかなかできないことです。「おまけ」と「メンテナンス(アフターフォロー)」を全面に押し出してページづくりを進めました。

 さらに、さらにです。何かアピールできることはないか。競合他店よりも一歩抜け出す方法はないかを考えました。検索対策、画像対策、付加価値づけなど、改善活動をおこなってきましたから、簡単には見つかりません。

 ただ、改善のアイデアは絞れば絞るほど生まれてきます。逆に、絞らなければ生まれてきません。

 目を付けたのが発送でした。ページや検索結果の一覧で表示される発送予定を、「1~4日以内に発送」から、「1~2日以内に発送」に変更すればいいのでは、というシンプルな改善でした。訳あって、即配送にはできないのですが「1~2日以内に発送」は十分に対応ができます。「4日」を見せるのか、「2日」を見せるのかで、お客様からの印象は全く違うはずです。

 そこで、他ショッピングモールでは発送日の表記がどうなっているのかを確認しました。すると、ないのです「発送日(納期)」の表記自体が検索結果画面になく、商品ページをひとつひとつ確認しないとお客様は知ることができません。あるショッピングモールではできるのに、こちらのショッピングモールではできない。不便だなと思いました。

 そこで考えたこと。これも「改善のアイデアは絞れば絞るほど生まれる」だと思います。商品名の欄に「発送日(納期)」を入力することにしました。これを行うと、同じ「型番商品」が検索結果にずらりと並んでいる中で、このネットショップの商品だけに「発送日」が表示されていることになります。競合他店を一歩リードする手になるのではないかと思いました。

 ネットショップの運営は例にもれず試行錯誤です。「もっとよくできないか、もっとよくできないか」と考え続けることで、結果の数字が変わってきます。「改善のアイデアは絞れば絞るほど生まれる」、改めて感じさせてもらったひと月でした。

 おわり。

 

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 2.Eコマースを続ける, 3.Eコマースの収益アップ, 5.Eコマースの分析

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。