ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

お客様はどうやって探しているのか、徹底的に考える。【no.1118】

 お客様はその商品をどうやって探しているのか。ネットショップで成功するためには、これを何度も何度も繰り返し考えることが大切です。お客様の探し方は市場やトレンドによって変化します。だから、定期的に継続的に。一度考えたからもう大丈夫、なんてことではありません。

 ストレッチのジーンズを販売していたとします。ストレッチという言葉はすでに一般化しているので、知らない人は少ないかもしれません。たとえば、お客様がどこかでストレッチ素材のジーンズの存在を知った。しかし、ストレッチという言葉は知らない。その場合、インターネットでどうやって探すのか、ということです。

 「ジーンズ 伸びる」という探し方かもしれませんし、「ジーンズ のびのび」という探し方かもしれません。このふたつは同じ意味を成していますが、インターネット上の検索キーワードとしてはまったくの別物です。伸びるという視点から、もしかしたら「ジーンズ ゴム素材」とか「ジーンズ ゴムのような」のような探し方をされるかもしれません。「ジーンズ ゆったり」というような探し方かもしれません。

 大切なのは、専門用語を知らない、業界の人間ではないお客様が、あなたのネットショップの商品をどうやって探すか、イメージを膨らませることです。売り手側にどっぷり浸かってしまうと、想像以上に一般とイメージが離れていってしまうものです。

 「お客様の探し方」の視点として、業界の大手の会社がその商品をどうやって表現しているか、が重要になります。たとえば、アパレルだったらユニクロ。たとえば、雑貨だったら無印良品。このような一般的な認知が高い業界のトップ企業が、商品をどうやって表現しているか、これを調べたいところです。

 ユニクロにはストレッチのジーンズが販売されています。ストレッチとはもともとあった「機能」の名前ですが、ユニクロがジーンズに取り入れ「ストレッチパンツ」と名前を付けたことで一般化していた部分もあるでしょう。フリースやヒートテックも同じです。業界の大手によって認知度が向上した言葉は、「フリース・・のようなもの」「ヒートテック・・のようなもの」としてお客様に探されている可能性があります。

 業界の大手の会社や、テレビ・雑誌などメディアで、その商品が「なんと表現されているか」の情報はできるだけ取り入れたいところです。自分たちの認識としては少しズレていたとしても、お客様にとっては「それ」だという認識の可能性があります。大切なのは、お客様からどう認識されているかです。

 「お客様がどうやって探すか」と同時に「お客様は何を知りたいか」の視点も重要です。「お客様は何を知りたいか」を考えることが、結果的に「お客様がどうやって探すか」に繋がることもあります。情報を精査するために「お客様の探し方」は細かくなり続けていきます。

 たとえばワイングラス。全体的な写真と、グラスの口の大きさ、底の大きさ、グラス自体の重さ、ぐらいの情報でも十分だと思いがちです。もう一歩踏み込んでみると、グラスの薄さや手にもった時の感触、グラスの底を手で抑えたときのシルエット、ワインを入れたときの色合いの変化、高さやバランスによる注ぎやすさや倒れにくさ、など伝えられることがあるはずです。

 ここは実際に商品を使われているお客様から意見を聞くのが良いと思います。ワイングラスを選ぶ上で、判断材料になるのはどこなのか、何の情報があればもっと判断しやすいのか、業務上不都合がでる可能性があるのはどこなのか。「伝える」内容がもっと増えるはずです。

お客様は必ず何かの「目的」によって商品を購入します。その目的を徹底的に追い続けることが肝心です。そして、もう一度書くと、「探し方」や「選び方」は市場やトレンドによって変化します。

 おわり。

 

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。