ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

オンラインショップのデータ分析をするときのふたつの視点【no.1123】

 オンラインショップのデータ分析をするときのふたつの視点。

 オンラインショップのデータを分析するときに重要な視点がふたつあります。ひとつは、順位とボリュームを分析するということ。もうひとつは、時系列でのデータの変化を分析するということです。

*データ分析のひとつ目の視点は「順位とボリューム」

 例えば、オンラインショップの商品の販売実績エクセルを作成したとします。エクセルの項目は左から、「順位(no)」「商品番号」「商品名」「アクセス数」「販売数」「転換率」「販売単価」「売上」。この8項目とします。順位を付けるための降順は、「アクセス数」でも良いし、「販売数」でもかまいません。ここでは、「アクセス数」を基準に降順のエクセルを作成したとします。

 データ分析のひとつ目の視点は、先に紹介したとおり順位とボリュームです。このケースでは「アクセス数」を降順としたエクセルになっています。つまり「アクセス数」が多い順に上から、商品が並んでいきます。この「アクセス数」は、オンラインショップの「商品ページ」のアクセス数です。「アクセス数」の数字が大きいほど、商品ページにお客様が集まっていることになります。

*どの商品のページにお客様が集まっているのか

 このデータを分析すると、自社のオンラインショップで販売している商品のうち、どの商品のページにお客様が集まっているかがわかります。「販売数」からの降順に変えれば、よりお客様に選択されている商品がわかります。「売上」からの降順にすれば、「売上」により貢献している商品が何かがわかる。

 そして、ボリューム。商品ごとに「アクセス数」はどれくらい違うのか、「販売数」がどれくらい違うのか。それがわかれば、日々の仕事のリソース分配がより見えてきます。データ分析のポイントのひとつは、順位とボリュームを見ることです。

*データ分析の本質的なポイント

 もうひとつは、時系列でのデータの変化を分析するということ。これがなかなか厄介です。順位とボリュームは分析しているものの、時系列でのデータ変化までは見ていない方が多いのではないだろうか。しかし、データ分析の本質的なポイントは実はこちらにあります。

 先ほど紹介した商品の販売実績エクセル。この対象期間が1週間のとき、翌週の販売実績エクセルを作成することになります。ポイントはこの前週のデータと翌週のデータを並べて「変化を分析する」ということだ。おすすめしたい方法は、左手側に前週データを置き、右側に翌週データを並べる。「左右、右左、左右」と繰り返しみるわけだ。最初は慣れなくても、徐々にデータの変化に気づくようになります。

*「なぜ!?」の「理由」を掴めば成長に繋がる

 前週に「アクセス数」が高くても、翌週に「アクセス数」が下がる商品ページもある。「アクセス数」が2週連続で上がり続ける商品ページもある。前週から翌週にかけて飛躍的に「アクセス数」が上がる商品ページもある。きっと「なぜ!?」という疑問が湧くだろう。この疑問がオンラインショップを育てる上で大切なことです。その「理由」を掴むことができれば、成長に対してのチャンスになります。

 時系列でデータの変化をみることに慣れると、さらに翌週数字がどうなっていくのかを予想することができる。これはデータを単体で見ているときには感じることができない発想です。順位とボリュームを分析するだけではなく、ぜひ時系列でのデータの変化の分析も、定期的なミーティングの内容にいれてください。

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カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 5.Eコマースの分析

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。