ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップの2017年の売上目標を立てる手順。2【no.1142】

前回のつづきです)

 来年のネットショップの売上目標の立て方について、前回は3つの工程を紹介しました。

手順1:2016年1月~12月の主要データを記す
「売上」「アクセス人数」「受注件数」「転換率」「客単価」の主要数字項目について、前年同月(2016年1月~12月)のデータを振り返ります。

手順2:2016年1月~12月の施策/改善、理由/特筆事項を記す
前年同月(2016年1月~12月)のデータが「なぜ前年同月のデータになったのか」を改めておさえておくことが大切です。「結果」とともに「原因」を振り返ります。

手順3:2017年1月~12月のすでに決まっているスケジュールを記す
すでに決定している予定には3つのパターンがあります。ネットショップとしての予定、運営会社としての予定、そして市場としての予定です。来年の数字の動く要因をわかっているものだけ、先におさえておきます。

3.については市場の「ポジティブ要因」と「ネガティブ要因」という記し方もできるかもしれません。たとえば、不動産購入に対する減税期間が2017年の8月に終了するとします。当然、2017年の9月以降のネガティブ要因に「減税終了」が入ります。ただ、逆にいえば2017年8月の「減税前のかけこみ需要」というポジティブ要因を期待することもできるのです。

さて、手順1から手順3までの3つの工程を踏んで、ここでやっと売上目標の決定、ということになります。売上目標の設定には、いくつかの決め方があるかと思います。

よくあるのが、エイヤっと決めてしまう方法です。2016年のネットショップの年商が例えば1.0億円。じゃあ、いま売上も伸びているし2017年は2.0億円だ!というような考え方です。この場合、最初に2.0億円という年次目標を決めてから、2017年1月~12月の月次目標に落としていくことになります。

もうひとつは、前年同月をベースにして、2017年のスケジュール、ポジティブ要因、ネガティブ要因を加味して月次の目標売上を設定していく方法。売上という結果を出すための「理由」を明確にしながら、月次ごとに売上を想定していくという比較的丁寧な考え方になります。

最後に、若干最初のエイヤっに似ているのですが、前年同月比+20%というように、売上目標を設定する方法もあります。前年同月比をベースに目標を想定すると、現実的ではない数字が出ることが減ります。年商を先に決めるのが目標型、月商を先に決めるのが実績型のイメージです。

さて、2017年の1月~12月まで、各月の売上目標が決まると、成果の指標になる主要数値が決まってきます。「アクセス人数」「受注件数」「転換率」「客単価」の4つの項目に割り戻す作業です。ちなみに「売上÷客単価=受注件数」「売上÷受注件数=客単価」「売上÷転換率=アクセス人数」「アクセス人数×転換率=受注件数」というように、売上含め5つの項目は相互の関係にあります。

なので、売上の4項目への割り戻しは、どの項目を大きくしても成り立たせることができます。「アクセス人数」が変わらなくても、「転換率」が上がれば売上は上がります。「客単価」が変わらなくても、「受注件数」が上がれば売上は上がります。ただ、売上目標を決めた段階での成果指標への割り戻しは、まず「アクセス人数」の項目だけを増やすところから始めてみてください。

つまり、前年同月比+20%の売上を目標とするならば、ネットショップへの「アクセス人数」を1.2倍にする、という達成指標を立てるわけです。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。