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きたれ女性と若者!競馬人気をまくり差せ!競艇場「売上アップ」マーケティング。十五【no.0689】

 きたれ女性と若者!競馬人気をまくり差せ!競艇場「売上アップ」マーケティング。(前回はこちら

マーケティングの軸をどこに決めるかは「決め」でしかない

 長期的な成果に期待して「若い女性」を対象にしたマーケティングを進めていくのもアリです。中期的な成果に期待して「若い男性」を対象にしたマーケティングに軸を置くのもアリ。短期的に成果を出すには「中年男性」を対象にしたマーケティングから展開していくのもアリだと思います。どれを選択しても間違いではありません。マーケティングチームのメンバー、さらにいえば事業の責任者、競艇場の支配人的な人間が、バシッと決めればいいだけです。

 ボートレースはあくまで公営競技であり、民間の企業が運営しているわけではないので、このマーケティング理論の志向性は少しズレているかもしれませんが、私が事業責任者だったら「中年男性→若い男性→若い女性」の順番でマーケティングを仕掛けていきます。前述した、「短期→中期→長期」の流れです。本心としては、「若い女性にも競艇場に遊びにきて欲しい」と思っていても、その気持ちを棚に置いておいて(けっして捨てるわけではありません)、まずは「中年男性」の来場者数をどうやったら増やせるかに軸を決めていきます。

部分だけ「若い女性を歓迎しています」感を出しても・・

 「女性タレントを起用したテレビCMを打てば、若い女性のお客さんが増えるかもしれない」「イケメンボートレーサーを露出すれば、若い女性のお客さんが増えるかもしれない」。そんな考え方は早計です。1度くらいは「どんなもんなんだろう?」と競艇場に足を運んでくれることはあるかもしれませんが、リピートをしてくれる可能性は少ないでしょう。マーケティングは全体最適です。部分だけ、「若い女性を歓迎しています」感を出しても、一時的なもので終わってしまうのです。

 そう考えるとやはり、「若い女性」の来場者数をアップさせるためのマーケティングは、検討事項・改善事項が多すぎます。どのような施策を打てば響くのか、それを探るための時間とお金が過剰にかかってしまうはずです。現状、競艇場は「若い男性」ですら多くはないわけですから、「若い男性」の来場者数を増やすためのマーケティングですら、ロクにできていないわけです。

国内で成功しない企業が、海外で成功するわけがない

 だったらまずは、今のメインのお客さんである「中年男性」を対象にして、マーケティング活動を進めていきませんか、というのが提案です。実際に、「中年男性」の新しいお客さんが来場しているわけですし、リピーターも多いわけです。情報を探ることができる要素もたくさんあります。それができて初めて、「若い男性」のマーケティングに取り掛かることができます。世の中には「順番」というものがあります。まだまだ「中年男性」を対象にしたって、市場は「無限」です。

 たしかに、一見すると「若い女性」や「若い男性」の層はほぼ取り込めていないわけですから、ブルーオーシャンに見えます。しかし、現在の顧客層をマーケティングできないチームが、新しい層をマーケティングできるとは到底思えません。

 Eコマース(ネットショップ)の業界でいえば、「国内のEコマース市場が寡占してきたから、海外に出ていこう。海外はブルーオーシャンだから」といっているようなものです。国内で成功しない企業が、海外で成功するわけがありません。商品・サービスやマーケットの問題ではなく、仕事に取り組む「姿勢」の問題です。もう何年も前から「越境EC」が叫ばれていますが、本当の意味で成功した会社はありません。単なる気休めです。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。