ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ヤフーショッピング広告戦略のポイント・考え方。後編 【no.0046】

(前々々回、前々回、前回のブログを読んでからこちらをご覧ください)
ヤフーショッピングの無料化で、EC業界にはどんな影響がでるのか・・?
ヤフーの「eコマース革命」は改善のチャンス!いま出店者がやるべきこととは・・?
これは早目に知っておきたい・・!ヤフーショッピング広告戦略のポイント・考え方。前編

 「これは早目に知っておきたい・・!ヤフーショッピング広告戦略のポイント・考え方。」後編です。

■広告を選択する際に必要な考え方‥!

 前回あげたとおり、ヤフーショッピングの広告は、主にバナー広告・メール広告・リスティング広告の3種類です。そして各々の広告にも掲載手法によっていくつかに分かれていることをお話ししました。今回は「どんな広告をどう選ぶか」その考え方について書こうと思います。ヤフーショッピングではトップページのミドルスクエアを買え!とか楽天市場ではジャンルサムネイルを買え!とかそういう話ではありません。広告の仕様は変わります。ヤフーショッピングのイベントやレイアウト、デザインもおそらく変わるでしょう。単なる「情報」ではなく、そこを導くための「知識」と「知恵」をしっかり身につけておくのが重要です。

 また、今回は「広告費のかけ方」の部分については言及しないことにします。どのくらいの金額を広告費にかけるべきか、売上から計算する方法、商品原価率から計算する方法、顧客生涯価値から計算する方法、考え方は様々ありますし、商材によっても異なると思うので、そちらについてはまた別の機会に書くことにします。あくまで、広告選択のポイントと考え方、という話です。ヤフーショッピングだけでなく、ショッピングモール戦略全般で使える原理原則だとお考えください。

 広告の選択は、広告戦略上の最も重要なポイントです。リンク先のランディングページや商品ページの改善、広告の画像やテキストの改善も重要ですが、そもそもどの広告を選択するかの方がより重要ということです。釣竿をどこに垂らすか、ということですね。ヤフーショッピングで1週間掲載されるバナー広告(通常広告)の出稿を検討するとして、その式を考えます。

ヤフーショッピングの対象ページ表示回数 × 広告表示率 × 広告クリック率

 = ネットショップに来店してもらえる人数

なわけですね。

 対象ページの表示回数とは、広告を出稿するページにそもそも期間内でどれだけ表示されるのか。いわゆるインプレッション数というやつです。広告表示率とは、表示回数100回あたり何回表示されるかの割合。これは他のネットショップも含めた広告出稿数を同時掲載数で割った値です。ヤフーショッピングのプロモーションボックスという広告であれば、同時掲載数は1枠なので広告の出稿数が3であれば、広告表示率は33%ということになります。そして広告クリック率は、ページ表示回数×広告表示率=広告表示回数のうち、何パーセントの確率でクリックしてもらえたか、ということです。シンプルですよね。

 対象ページの表示回数がより多く、広告表示率がより高く、広告クリック率がより高ければ、最大限の効果が出るわけです。あくまでネットショップへの来店、という点に関してですよ。この3つのポイントをいかに掘り下げて、トライ&エラーを繰り返して、成果を高めていくかが広告戦略なわけです。いずれの数字も倍になれば、結果も倍になるのですから。

■「それはできません」と言った瞬間に、成果への道が閉ざされます‥!

 まずヤフーショッピングの対象ページ表示回数。これはネットショップ側がいじれるものではありません。ですが、ここで思考停止するのは早すぎます。季節や流行によって、トップページやジャンル(食品、ファッション、靴、ベビー等々)へのアクセスは異なるでしょう。同じ条件ならば世の中の流れがきているときに出稿する方が良いわけです。じゃあいかにしてその流れを掴むか。季節ならば、昨年一昨年の過去のデータを見れば参考になるでしょう。内部データと外部データの両方を見ます。流行であれば、ネットショップ内部の検索キーワードや外部の検索キーワードを日々ウォッチしていれば、どのキーワードに流れがきているかがわかるでしょう。

 うちの商品じゃそんなのわからない!というならば、マーケティング目的で少量でも商材を増やしてみては?いくつもやり方はあります。ダメ元でヤフーショッピングのコンサルタントに聞いてみるのもアリです。Facebookでつぶやいてみたり、ネットショップ仲間をランチに誘って聞いてみたりするのもアリです。どんなに高いランチだって3,000円くらい。その後の成果を考えれば、安いものではありませんか!

 ページの表示回数はいじれない!と嘆いて止まるのか、1%でも選択の精度を上げる方法を探し、試し続けるのか。当然、「そこまでやった」後者が勝つに決まっていますよね。

続きはこちら。
「これは早目に知っておきたい・・!ヤフーショッピング広告戦略のポイント・考え方。」終章

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カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 3.Eコマースの収益アップ, 8.Eコマースの集客

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。