ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

こんな会議をずっと続けていませんか?1社に1名、マーケターが必ず必要になる理由。【no.0423】

 マーケターの必要性について。

 先日、とある会社の部長である友人と仕事の話をしていたときのことです。その会社が毎週行っている定例会議の話になりました。

 定例会議は、経営陣と各部門、各支社の責任者が集まって行われます。地方支社の責任者はテレビ会議での参加です。毎回、決められた数値項目を提出し、各部門・各支社の責任者が順々に、数字と状況の報告をしていく、そんな会議のようです。一般的に、最も良くあるパターンの会議だと思います

 社長が議長となり、会議が進んでいきます。責任者の報告がひと通り終わると、「じゃあ、この部門(この支社)について何か質問はありませんか?」となるのですが、そこで質問はまったく出ません。これが、なぜか、という話です。ちなみにこの会社は、名前を聞けば「おおー!そこですか!」というような会社です。化石化とは正反対の、伸びている会社です。

 友人は2つの理由があるのではないか、と言いました。

 ひとつ目として挙げたのが、各部門・各支社の責任者と「仲が良い」ため単純に意見を言いづらい、ということでした。仕事での関係だけではなく、プライベートな関係もできている以上、これは仕方のないことです。経営者からすると「けしからん!」となるでしょうが、経営者との関係をこじらせるより、同僚との関係をこじらせる方が「気まずい」のです。ここはここで解決法があるので、それは後編で書いていきます。

 会議で各部門・各支社の責任者に突っ込めない理由、もうひとつは「わからないから」でした。成果としての数字が、どんなアクションによって起こったかが「わからない」。もしくは、提出された成果が良い成果なのか、悪い成果なのか自体がそもそも「わからない」ということです。会議に参加しているメンバーは、それぞれ自分の部門・支社の成果に対して頭がいっぱいなわけですから、他部門・他支社のことなど「わからない」のが当然なのです。ですから、この「わからないから」という理由は、正直で真っ当な意見と言えます。

 しかし、このような状態が続くと、会議の開催意義自体が形骸化していくのはもちろんのこと、新しい気づきやナレッジの横の共有が薄れていくことになります。組織の成長を進める上では、非常にもったいのない状況です。

 ここで必要なのが、マーケターということになります。

 マーケターというと、広告やプロモーションの専門家というイメージがありますが、本当のマーケティングとは「お客様を集めること」だけではありません。「原因」としてのアクションと、「結果」としての数字からその相関性を読み取り、組織に対して次のアクションのヒントを提案していくことが、基本の仕事です。そのベースの上に、広告やプロモーション、商品企画や販促企画、バックヤード体制の整備などのアクションが乗ってくるのです。

 もしもこの会社にマーケターを置く場合、各部門・各支社のアクションと成果の数字を、日々抑えておかなければいけません。部門・支社を合わせて10以上ある会社ですから、それだけでも大変な仕事量です。ですが、マーケターの仕事はあくまでアクションと数字を見続けること。そこから、より成果に結びついているアクション、結びついていないアクションを責任者にフィードバックしたり、水平展開のできるナレッジ・ノウハウを各責任者に伝えたり、数字に動きがみられない部門・支社には新しいアクションの提案をしたりします。マーケターの仕事は「専任」でなければ務まりません

 もし、このような会議を続けているなら、マーケターを置くことを検討されるのが良いでしょう。

 さて次回です。「仲がいいから言いづらい」という考え方は、仕方がないことでもある一方、実は仕事に対しての重大な勘違いをしている可能性があります。では、どう考えれば良いか、という話です。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。