ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

着実に階段を上ってもらうために、スタッフの皆さんと「一対多」の後「一対一」で接する。 【no.0014】

 「人を育てる」ための重要なポイントとして、「数字を理解し、真摯に結果と向き合うこと」と「理解だけでなく、習慣化するまで継続すること」の二つをあげました。では、これを企業体質として落とし込んでいくにはどうすればいいのでしょうか。つまり、いかにしてスタッフをフォローし、浸透させていけば良いのでしょうか。

 結論から言うと、常にスタッフの皆さんと「一対一で接する」ことです。経営者の皆さんや、事業責任者、マネージャーの皆さんは、スタッフの皆さんと意識を共有するときに、どうしても「一対多」の状況になってしまうことが多いと思います。もちろん、それは仕方がないことですが、十人十色という通り、物事の捉え方は人それぞれです。着実に階段を上っていただくためには、「一対一」のフォローが必要になります。

 例えば、月例の戦略会議において、十人のスタッフの皆さんの前で事業責任者が話をする、というような場面があると思います。販売チャネル拡大の話であったり、新規商材展開の話であったり、広告費の使い方や収益性のポイント、物流やカスタマーサポートの方針変更、などなど、内容は多岐に渡ると思いますが、十人のスタッフの皆さんに一時間の話をしたとして、その意図を十分に理解してくれる方はどれくらいいるでしょうか。

 何人かの方は十分に理解し、実行し、自分の身体に浸透させ、意図を習慣化させていってくれるでしょう。しかし、残念ながら、そのような人材は元々要領が良く、素養がある方です。彼らは、実は戦略会議がなかったとしても、自分自身で考え、成長していってくれます。

 もちろん、「一対多」で行う全体の戦略会議を否定しているわけではありません。また、会議の意図を十分に理解できていないスタッフの方を否定しているわけでもありません。むしろ、不器用なスタッフの方が、臨界点を超えたときに一気に成長してくれることが多いです。逆に、要領が良いスタッフの方ほど、自分の才能に甘んじてしまい、後々伸び悩んでしまいがち、であるのも事実です。

 つまり、ここで言いたいのは、「確実にスタッフの皆さんに十分理解してもらい、実行してもらい、身体に浸透してもらい、呼吸をするように習慣化してもらう」ためには、「一対多」の行動の後に、「一対一」という時間が必要になる、ということなのです。

つづく

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。