ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

デジタルマーケティングの「的当てゲーム理論」って聞いたことある!?【no.0609】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

 七海さんは猪井氏(いいし)先生が会議室のホワイトボードに書いた、「売上」を頂点にした「アクセス人数」「受注件数」「転換率」「客単価」のツリーをノートにメモしました。七海さんがノートにメモするペースに合わせるように、猪井氏先生はいいました。

「ええな。まずは『成果を管理する方法』として、いま話した『売上』『アクセス人数』『受注件数』『転換率』『客単価』の5つの項目を毎日ネットショップのシステムから取得して、エクセルに入力して欲しい。ここは七海さん、大丈夫だわな?」

「まだ注文はきてませんが、『売上』は1日のご注文をまとめれば出すことができますね。ネットショップのシステムからも出せたと思います。『受注件数』も1日のご注文をまとめれば出せますね。『転換率』は『受注件数÷アクセス人数』、『客単価』は『売上÷受注件数』だから割り算で出せばいいですね。あとは、『アクセス人数』か~。これってネットショップのシステムから出すことできますかね?」

 七海さんは自分自身に確認するように呟いて、猪井氏先生に質問をしました。

「そこは、麻間(あさま)が『Googleアナリティクス』の話をしとらんかったか?自社のネットショップを構築してるときに、麻間がGoogleアナリティクスの設定をやったとか、トレーニングをしたとかだったと思うんじゃけども」

 猪井氏先生の話を聞いて、七海さんはおにぎり水産新ネットショップの企画中に、麻間さんが説明したことを思い出しました。七海さんは、麻間さんの言っていることの意味がよくわからなかったので、「わからなかったらまた聞けばいいかな」という感じに聞き流していたのでした。

「あー、思い出しました。麻間さんが『Googleアナリティクス』というものを使って、ネットショップのマーケティングを進めていく、と仰っていました。これ、『アクセス人数』を調べるために使うものなんですね。でも、ちょっとどうやって使えばいいか、いまいちわからなくて・・なんて・・」

「おー、そうなんか。麻間の方からマニュアルなり、ログインの説明なりがあったかと思うんじゃけどな。ほしたら、ワシが事務所戻ったら、そこらへん麻間に七海さんに連絡して、フォローさせるわ。基本的な使い方だけわかれば、あとは自分で要領がわかっていくはずじゃから。ほんなら、この5項目の数字、毎日入力たのむで」

 七海さんは「麻間さんにフォローいただく」とノートにメモし、「わかりました」と言いました。猪井氏先生は、ノートにメモをし終えたタイミングを見計らって、続けていいました。

「ほんで、この5項目を毎日調べて入力するのも大事なんじゃけども、話はここで終わらんのじゃ。大切なのはここからなんじゃな。さっき、8つのマス目ゆうて他にも項目を書いたわな。『施策・改善』と『理由・特筆事項』ってのがあったと思うわ。ここじゃな」

 何度も重ね書きをして、すっかり文字の見づらくなったホワイトボードから、「施策・改善」「理由・特筆事項」という文字を探し出し、その文字を猪井氏先生はマーカーで指しました。「ここがポイントじゃ」と再度繰り返しました。

「七海はん、デジタルマーケティングの『的当てゲーム理論』って聞いたことがあるか?」

 猪井氏先生は、「施策・改善」「理由・特筆事項」の説明ではなく、唐突に七海さんに質問をしました。

「いや・・聞いたこと・・ないですけども・・」

 七海さんはいきなりの質問に戸惑いながら、そう答えました。

「まあ、知ってるわけないわな。これ、ワシが考えた理論じゃからな・・」

 ・・おにぎり水産会議室に、ひと時の静寂が訪れました。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。