ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップのアクセスを1日60人にするためのアイデア出し【no.0714】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

 七海さんと友花里さんは、鬼切社長が出ていった社長室に、ふたり取り残されていました。

「七海、どうしよっか。社長もそういってることだし、私も一緒に考えるよ」

 先に口を開いたのは友花里さんの方でした。

「友花里、ありがとう。そうしたら、今日の『笹かまオニギリ』の閉店後に、会議室で作戦会議ってのはどう?あ、もちろん、『笹かまオニギリ』はネットショップじゃなくて、実店舗の方ね。ネットショップの方は24時間365日開店しておりますので」

 七海さんがニコニコしながら言いました。

 その日の夕方、七海さんと友花里さんはおにぎり水産の会議室でミーティングをおこないました。テーマは、「ポスターとチラシを改良して、ネットショップのアクセス数を1日60人に増やすには?」です。お互い思いつきでアイデアを出し合い、会議室のホワイトボードにアイデアを書き出していきます。

 七海さんと友花里さんが出したアイデアは、主にこのようなものでした。

・いまはネットショップがオープンしたという情報しか載っていないので、ネットショップ「笹かまオニギリ」のトップページの画像を載せる。

・ネットショップで販売している笹かまぼこセットの紹介をする。

・チラシを特別割引クーポンにして、チラシをみてからネットショップで購入いただいた方には、何かしらの特典をつける。(ただ、どうやってチラシを見たかを見分ければいいかがわからない)

・チラシにネットショップのURLを入れる。

・チラシに「●●●で検索」という表記を入れる。

・チラシにおにぎり水産の紹介文を入れる。鬼切社長や工場長の顔写真を入れる。(私たち自身の写真を載せるのはちょっと恥ずかしいのでそこを突っ込まれないように話す)

・笹かまぼこを食べているところの写真が欲しい。

・笹かまぼこを使ったレシピを載せる。

 七海さんと友花里さんは1時間ほどブレストをして、様々なアイデアを出しました。

「けっこう、出たね」

 七海さんはいいました。友花里さんがうなずきます。

「このくらいやれば、実店舗にこられたお客様にもっとネットショップに興味をもってもらえるんじゃないかなぁ」

 友花里さんがいいました。

「でも、どれからやっていけばいいんだろうね・・」

 七海さんがいいました。「たしかに」と、友花里さんがうなずきます。「ここは、麻間(あさま)さんに意見を伺った方がいいかもしれない」。七海さんはそう思いました。

 翌日、七海さんは麻間さんにメールを書きました。

 ネットショップを1日60人のアクセスに増やすことについて、鬼切社長に相談をしたこと。「最初から正解をみつけることはできないから、いろいろやってみよう」といわれたこと。友花里さんとアイデア出しをして、いくつか候補を考えたこと。そしてアイデアの内容を書き出しました。これまで書いたメールの中で、どのメールよりも長いメールになりました。

 麻間さんからの返信メールは、昼過ぎに届きました。「返信が遅れてすいません」という書き出しでメールが始まっていました。七海さんは、「全然遅くない。むしろ早いくらい」と思いました。

 メールの内容としては以下のようなものでした。

 七海さんと友花里さんが考えてくれたアイデアを2つに分けて欲しい。ひとつは常にチラシに入れておいた方が良いと思われる情報。もうひとつが、チラシのメインとして大きく出したい情報。たとえば、七海さんと友花里さんのアイデアのうち、「チラシにネットショップのURLを入れる」というのは、常に入れておいた方が良い情報だけども、メインになる情報ではないですよね。まずは、このようにアイデアを2つに分けて。そして、もう一度、この2つの軸からアイデアを話し合ってみてください。

 メールの内容を読んで、七海さんは早速、その日の夕方、実店舗「笹かまオニギリ」閉店後に友花里さんと打ち合わせをすることにしました。

 つづきはこちら

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 連載, 鬼切社長シリーズ

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。