ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップを運営しながら、HTMLの編集も、商品画像の加工も覚えていく【no.0560】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

 鬼切社長、七海さん、友花里さんの3人での打ち合わせを経て、おにぎり水産の「直販事業部」の立ち上げが事実上決定しました。おにぎり水産「直販事業部」には、ふたつの部署があります。ひとつは、いままで七海さんと友花里さんが担当してきた「実店舗」部門、もうひとつは、これから再スタートをきる「Eコマース」部門、このふたつです。そして、この「Eコマース」部門を専任として担当するのが七海さん、というわけです。

 七海さんがEコマース部門の専任になることで実店舗の担当者がひとり減ります。しかも抜けるのが、いままで中心的な役割を担ってきた七海さんですから、大きな戦力ダウンは否めません。友花里さんの強い要望により、実店舗にサポートメンバーを派遣すること、Eコマース部門の作業オフィスは実店舗のスタッフルームにすることになりました。スタッフルームは実店舗と繋がっているため、七海さんと友花里さんはすぐに連絡が取れて便利です。このスタッフルームが「直販事業部」のオフィス、ということになりました。

 翌日早速、直販事業部にパソコンが運ばれてきました。Eコマース事業を加速させるため、猪井氏(いいし)事務所の麻間(あさま)さんに指南してもらい、パソコンソフト等々も取り揃えました。そして、スタッフルームの天井に「直販事業部」というプレートを吊るして、事業部が誕生しました。

 その翌週、麻間さんがおにぎり水産を訪れました。おにぎり水産の新しいネットショップの雛形となるデザイン・レイアウトを確認するためです。この打ち合わせから、麻間さんと鬼切社長の他に、七海さんも参加をしました。麻間さんが「おにぎり水産新ネットショップの候補」になるサイトのデザインをパソコンに表示させると、七海さんは「うわぁ!!」と感嘆の声をあげました。

「なんか素敵ですね。当たり前ですけど、素人が作ったネットショップではなさそうというか、なんと言うか。笹かまぼこが美味しく感じられそうな気がします」

 麻間さんに七海さんが言いました。

「ありがとうございます。まあ、デザインは笹かまぼこの『価値が高く』見える方がいいですし、レイアウトも、ネットショップにアクセスしたお客様が『わかりやすい』方がいいですよね。それはそうなんですが、実際にはデザインやレイアウトの良し悪しって、そこまで成果に影響するかというと、そうでもなかったりするんですよ」

 七海さんの感嘆をいなすように、麻間さんは言いました。七海さんは、思わず「そうなんですか!?」と驚きました。

「そうなんです。私が知っているネットショップで、ウェブサイトの見た目は不格好でも売れているお店はありますよ。デザイン・レイアウトも重要ですが、それをベースにして、ネットショップをどう運営していくか、お客様に何をどうやって伝えていくかが重要というわけですね。まあ、最初は私が『かっこよく』ネットショップを作っていきますが、『かっこいいから売れる』というわけではないので、そこは重々理解されていた方がいいかもですね」

 七海さんは麻間さんの話にウンウンと頷いて、「でも、こんなにカッコイイWEBサイトを作ってくれる方がいて、これから運営していく上ですごく心強いです~」と言いました。

 その言葉に麻間さんはニコッと軽く笑って、七海さんに向かっていいました。

「まあ、いずれは七海さんもこのくらいのウェブサイトは作れるようになっていただきますからね。ネットショップを運営しながら少しずつ、HTMLの編集や商品画像の加工も覚えていきましょうね」

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。