ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

メディア拡散のヒントは、メディアの傾向を知ること。【no.0269】

 新規顧客の集客方法は詰るところ4つしかない。

(前回はこちら

前回は、「広告を使う」「検索ヒットを狙う」「メディア拡散を狙う」「顧客リストを流す」の4つのうち、「検索ヒットを狙う」について書きました。

今回は、「メディア拡散を狙う」について説明していきたいと思います。

集客手段として、最も破壊力があるのはメディアでの拡散ということになりますが、狙っても狙ったように上手くはいきません。たくさんの仕掛けをしていく中で、ひとつ引っかかれば御の字。その一度のために、仕掛けとプレスリリースを日々続けていくことになります。テレビ・新聞・雑誌などのマスメディア、facebook・twitterなどのソーシャルメディア、共に拡散のお手伝いをするのは「人」なのですから、「メディア拡散を狙う」ということはある種の「他力本願」です。とはいえ、その「他力本願」を狙うための、最適な方法を考えてみたいと思います。

大切なのは、各メディアの特徴を知ることです。テレビで取り上げられやすいネタ、新聞や雑誌で取り上げられやすいネタ、ソーシャルメディアでシェアされやすいネタ。メディアの特徴によって、どんなニュースをピックアップするか、傾向があるはずです。Eコマースでも、顧客属性や購入履歴、行動履歴を分析して、個々のお客様に対して最適はアプローチを施すように、メディアに対しても個別に最適なアプローチを考えなくてはいけません。基本的に、「どんなネタを投げるか」ばかりを考えてしまいがちですが、「どのメディアに向けて投げるか」「どのメディアに取り上げてもらうために投げるか」が重要になってくるということです。多くのビジネスがお客様を「絞る」ことによって成功しているように、セオリーとしてはメディアを絞ってアプローチを仕掛けていく、というわけです。

では、メディアの傾向を探るために、どうするかという話です。これは、メディアで取り上げられている話題を見続けるしかありません。例えば、週刊ダイヤモンドに取り上げてもらいたければ、少なくとも1年は週刊ダイヤモンドを見続ける。自分達のサービスを週刊ダイヤモンドが取り上げるとしたら、どのページにどのような形で取り上げる可能性が高いのか、その傾向を探るのです。また、どのページに載る可能性があるかを考えれば、「どのような形・情報を満たしてリリースを打つと編集者が選びやすいか(編集者にとって楽か)」ということもわかってくると思います。この作業を様々なメディアついて日々行っていくことは現実的ではないので、やはり「どのメディアに向けて投げるか」を「絞って」いくことが良さそうです。「絞る」ことで、「どのメディアにどんなネタをどんな形式でどんなタイミングで投げるか」というノウハウが、自社に蓄積されていくことになります。

以前、知人から聞いた、20代女性向けのファッションイベントを企画していた方の話です。その方は、イベントプロデュース業を引退した後も、コンサルタントとして「ブーム」を作ることを生業にしています。では、どうやってブームを作るか、です。コンビニエンスストアや書店で販売されている20代女性向けの雑誌を、毎週すべて隅から隅まで読むそうです。5冊や10冊ではありません。20冊、30冊という話です。毎週毎週読み続けていくと、少しずつ流行の変化が見えるようになってきます。毎週ですから、小さな小さな変化です。その小さな変化を見つけて、新商品をプロデュースし、プレスリリースを打つらしいのです。後から振り返ると、流行というものは「ああ、そういうものあったね」というようになるのですが、流行るものを作るためには、対象を絞り、その情報をインプットし続けて、小さな鉱脈を探す、そんな地道な仕事が必要になるわけです。大きなメディア拡散を狙うため、小さな行動を始めてみてください。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。