ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

仕事をたくさんこなすためのスケジュール管理・タスク管理。後編【no.0467】

 仕事をたくさんこなすためのスケジュール管理・タスク管理つづき。(前回はこちら

 パワーポイントの資料を1枚目から書いていくとします。表紙や資料のタイトル、はじめに、会社概要(自己紹介)あたりまでは、順調に書き進めることができるでしょう。本題に入る、次のページから「どのように書いていくか」これが問題です。

 まずは、「目的」から書くべきだろうか、それともいきなり「代表事例」から入っていくのが良いか。もしくは「市場の傾向」の話から書いた方がわかりやすいだろうか。「目的」から書きだす場合、1枚のシートを使って、目的だけを大きく書いた方がいいのだろうか。背景も含め、文章で書いた方がいいのだろうか。「代表事例」から入る場合、紹介する事例はどれがいいのか、1つにするか2つにするか、説得力を強めるため3つは必要なのか。「市場の傾向」から書く場合、どんなデータを用意するのか、どのくらいのボリュームを持たせるのか、全体的に間延びはしてしまわないか。

 どれも正解ですし、不正解もありません。ぶっつけで資料を作り始めると、その「内容」や「スタイル」や「構成」や「細かい順番」や「ボリューム」等、様々な条件を気にしながら、作業を進めていくことになります。最悪の場合であり、よくあるケースが、資料の作成途中で「煮詰まって混乱」したり、「あ、これ、言いたいこととずれている」ということに気が付き、資料がすべて書き直しになってしまうパターンです。

 このような状態を防ぎ、かつスムーズに資料を作成するためには、「企画」と「作業」を分けなければいけません。「内容」「スタイル」「構成」「細かい順番」「ボリューム」について、同時に考えながら作業を進めるのではなく、各々を別の仕事として1つ1つ順々に潰していくことになります。もし、パワーポイントで資料を作るとしたら、以下のような順番で「企画」と「作業」を進めていきます。

 最初にA4サイズの1枚のメモ用紙を用意します。使わなくなった資料の裏紙で構いません。まずはそのメモ用紙に、「今回の資料で書きたいこと」を書き出していきます。ここで決めるのは「内容」だけです。箇条書きで、パワーポイントの資料にどんなコンテンツを入れたいかを考えてください。

 次に「構成」です。書きだしたコンテンツをどの順番でパワーポイントに載せていくかを考えます。このとき、メモ用紙に書きだしたコンテンツが、「大項目」と「小項目」に分けられることもあると思います。どのコンテンツがどのコンテンツと紐づくかも、必要があれば整理をしてください。ここでイメージするのは「資料の目次」です。(注意したいのは、「内容」の書き出しは「目次の項目」の書き出しではないということです。とにかく、頭の中にある「書きたいこと」を一心不乱に書き出してください)

 そして、「ボリューム」です。メモ用紙で書きだした「内容」と「構成」をパワーポイントに落とします。各ページにタイトルだけを先につけ、内容が書かれていない白紙の資料を仕上げましょう。資料としての説得力をもたせるために「やけに内容が少ないコンテンツ」「やけに間延びするコンテンツ」がわかるはずです。ここでは資料の「ボリュームの調整」を行います。

 ここまでで、資料を作る「作業」の準備が整ったといえます。「内容」「構成」「ボリューム」ができているわけですから、必ずしも1ページ目から書きださなくても構いません。気がのるページ、書きたいページから「作業」を進めていってください。この方法で「作業」を進めれば、ページ内の「細かい順番」もページごと、もしくは項目ごとに修正が効くはずです。

 1枚が書ければ、資料の「スタイル」が決まってきます。全部を書き終えた後、1枚目から資料を確認して「スタイル」の統一感を確認していきましょう。資料を作成するとき全般に言えることですが、「これが完成版だ!」と思いながら「作業」をしないことです。資料を出す期日までは何度も見直すことができるわけですから、「これは仮バージョンだ!」と思いながら、「作業」を進めてください。そちらの方が、筆が進みます。

 「これは仮バージョンだ!」と思いながら一旦パワーポイントの白紙が全て埋まると、もう「資料が提出できなかった」という最悪の状態はないですから、気持ち的に安心するはずです。1ページ目からゆっくり見返して、細かい修正を加え、「完成版」にじっくり近づけていきましょう。「企画」と「作業」を分けて作成すれば、そう大きなズレはないはずです。

 仕事をスムーズに進めるために、自分の仕事の中で「企画」と「作業」をどう分けられるか?それを考えるきっかけになれば嬉しいです。

 おわり。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 6.Eコマースの悩み, 7.Eコマースのひと工夫, 9.Eコマースこぼれ話

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。