ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

単にページや画像が盗まれるのとは訳が違う!?偽装ネットショップにご注意を・・!!【no.0026】

■偽装ネットショップとはなんじゃい‥!?

 ついにこういうことが起こる時代になったのか、という感じだ。偽装ネットショップである。

 昨晩、ネットショップ専門の会計をしている先輩から電話がかかってきた。担当しているネットショップの偽装ネットショップが現れたというのだ。石田君、何か対策の方法は知らないか、と。残念ながら、即効性のありそうな回答はできなかった。本当に残念だ。

 偽装ネットショップとはどのようなものか。本物のサイト(被害にあわれたネットショップでは自社サイトらしい)と全く同じコピーのサイト。唯一本物のサイトと異なる点は、振込先。振込先だけが本物のサイトとは異なる。なので、お客さんは普通に購入し、普通にお金を振り込む。しかし、商品が届かない。おかしいと思い、サイト運営者(こちらは本物の方)に「商品が届いてないよ」と電話をかけると、運営側には注文のデータ自体がない。まずは受注システムの不具合だったり、注文データの加工ミスだったりを疑うのだが、結局理由が見つからない。謝罪して返金をしたり、振込履歴を確認させてもらい商品を発送する、なんてこともあり得るだろう。だって、自分のネットショップの偽装ネットショップがあるなんて、思いもよらないわけだから。昨日の電話では、なぜ偽装ネットショップがあることがわかったかまでは聞かなかったが、おそらくネットショップ名での検索に引っかかってきたのだと思う。ブックマークやメルマガからのリンクでは飛ばないだろうしね。

■コンテンツのパクリ合いはよくあること‥!

 ネットショップの一部をコピーされる、というのは実はいままでも良くあった。以前、私がネットショップを運営していた時も、ピアスのジュエリーの装着画像(つけてみるとこんな感じですよ的な写真)が、同じ商品を扱っている他のネットショップでそっくりそのまま、利用されていることがあった。そのときはこちらも相手側も楽天市場のネットショップだったので、楽天市場の担当者に告げることで画像を落としてもらうことができた。

 ネットショップはパクリ合いという側面もある。常に競合他社、他の商品ジャンルで売れているネットショップの、商品や販促企画、写真の撮り方、バナーのつくり方、お店のレイアウト、メルマガの書き方、テキストのテイスト、できるネットショップほど、きちんとチェックをしている。その中から、自ネットショップのお客さんに合いそうなものを、合いそうなテイストに変えて提案している、そんな部分もある。これが良いか悪いかは様々な意見があると思うが、ECというものはこんな市場だからこそ、これだけ急激に成長してきた、という部分もあるだろう。ネットショップの経営者ってホント頭が良い人が多いしね。やっぱりパクリパクられ、新しいものに先んじてチャレンジして売上をつくってきたアイデアとパワーがあるからね。パクリ、といえ、前述したような装着画像をそっくりそのまま持ってくる、のは流石にNGなんだけども。

■ひとまずの対応策として、みなさんが挙げていること‥!

 いままでのパクリって言うのは、行き過ぎたものも含め、アイデアとして活かすだったり、スキルが足りない部分を補う、みたいな側面があったのだけでも、(良いか悪いか、どこで線引きするかは別として)今回の偽装ネットショップは根本から違う。ネットショップが培ってきた認知や信用を引っ張ってきて、売上だけを抜いていく完全なる詐欺行為。で、対処法なんだけども、早くもfacebook上で皆さんがいくつか方法を出されていたので、即効性があるものではないかもしれないけど、参考までにお伝えします。

・正規サイトのアドレスを利用者に確認してもらう。ブックマークに入れてもらったり、メールマガジンのURLから飛ぶように、サイトのトップページやメールマガジンでお知らする。
・Googleに対して、著作権侵害コンテンツの扱いに関する申し立て。検索結果に出ないようにする。
・SSL証明書の利用
・警察に相談
・フィッシング対策協議会に相談。ガイドラインに沿って対応。

 実際にまだ対応はしていないと思うし、完全に対策が完了するまで時間がかかると思うので、さらに被害が出てしまうことは避けられないのかも。偽装ネットショップ自体も、おそらく簡単に作れてしまう時代なんだろうなと思います。コンテンツを全部引っ張ってきて、HTMLで組み合わせれば簡単に同じサイトができちゃうからね。しかも、昔の詐欺サイトみたいな「似ても似つかない」ようなものではなく、完全まるコピでリピーターですら見分けがつけられないようなものが。

 正直、ネットショップ業界にとって良い話ではないけれども、ネットショップ出店者ネットショップ利用者も注意が必要なことなので敢えて書かせていただきました。こういうのは早いうちに知っておかないと被害が拡大するだけですしね。インターネット上というのはまだまだ無法地帯なので、なんとかこういうのは情報を早く回すことでカバーしていきたいところです。なので、ネットショップは怪しい、とか思わないでくださいね。いままで通り、いやさらに、ネットショップでお買い物をしていただければ幸いです。そうしないと、私の存在価値がないので笑。ただ、少しだけ、注意をお願いします。うーん、ショッピングモールに出店するのはある意味、安全ということか。自社サイトが危険、というわけじゃないけれど。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。