ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

商品企画・商材開拓担当者の「仕入先別の販売数、売上、ヒット率」の改善プラン【no.0400】

「データをとって、毎日カイゼン」するための指標づくり。(前回はこちら

前回は、改善プランを考える1発目として、ネットショップの「商品企画・商材開拓」担当者における「新作アイテムのヒット数、ヒット率」について考えてみました。今回は、「商品企画・商材開拓」担当者の改善指標として提案したもう1つの指標、「仕入先別の販売数、売上、ヒット率」の改善プランについて考えてみます。

*「仕入先別の販売数、売上、ヒット率」の改善プラン

商品を仕入れて売る「小売り」の形式をとっている場合、いかに「売れる」仕入先とお付き合いができるかが、売上のキーポイントになります。不思議なもので、10社の仕入先と契約し、各々から10商品を選択してネットショップで発売したとき、どの商品も均等に「売れる」ということはありません。10社の仕入先の売上が10%ずつというように「売れる」こともありません。大抵は、1番売れる仕入先が売上全体の70%、2番目に売れる仕入先が15%、3番目に売れる仕入先が5%、あとの6社で残りの10%を分け合うというように、かなり成果は傾きます。

成果を数字で管理し続けることの重要性は正にここにあります。「あの仕入先は売れているね」「この仕入先はそこそこだね」「その仕入先は全然ダメだね」というように、「定性的」に感覚だけで捉えていると、本当の比率を見誤ります。1番目が70%で2番目が15%ならば、4.6倍以上の差があるということなのです。「あの仕入先は売れているね」「この仕入先はそこそこだね」という判断では、仕入先別にどれくらいの売上の差があるのかを「定量的」に認識することはできません。

 「仕入先別の販売数、売上、ヒット率」の改善プランの1つ目はシンプルです。

自社のネットショップで売れている仕入先の商品数を増やし、売れていない仕入先の商品を減らします。まずは、思いっきり売れている仕入先の商品に露出を偏らせてみて、お客様からどれくらいの反応があるのかを検証してみるのもいいかもしれません。売れている仕入先の商品をネットショップの軸として、その仕入先の商品を買ったお客様が「次に買いそう」「好みそう」な商品はどれか、という視点から他の仕入先の商品をピックアップしていきます。コンセプトが近しいものから商品を増やす、ということです。

 「仕入先別の販売数、売上、ヒット率」の改善プランの2つ目は、仕入先を増やすことです

仕入先を増やせば増やすほど、仕入れる商品を選択できる幅が広がっていきます。蓄積してきたデータは、あくまでこれまでに発売してきた商品の成果データです。新しい仕入先の新しい商品をお客様に提案することで、また新しいニーズを掴むことができますし、それが未来需要へと変わっていく可能性もあります。市場がありそうならば、別のネットショップとしてブランド展開をするのも良いでしょう。

どの仕入先の、どんな商品をネットショップで露出するのが良いのかは、「データをとって、毎日カイゼン」を繰り返しながら最適化していくしかありません。同じ仕入先の商品に偏ると、ショップのエッジがより立つことで「お客様が集まってくる」とも言えますし、逆にエッジが立ちすぎることで「お客様が減っていく」とも言えます。また、同じ仕入先の商品に偏ることで、「もしその仕入先が取引をストップしてきたらどうするのか?」という不安もあると思います。どちらが正解だとは言えません。「自分がネットショップをどうしたいか」と「データに成果はどう表れているか」を常に考えておくことが重要です。大切なのは、バランスということになります。バランスをとるためにも、データを取得し続けましょう。

つづく。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。