ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

売上目標が決まると「会計数値」と「事業数値」が決まる【no.0424】

 売上目標が決まると「会計数値」と「事業数値」が決まる。(前回はこちら

「・・つうことで、なんかいろいろ決まったやん。鬼切はんが作ってくれた『売上年商1億円、利益2,000万円』以外の決まりもええと思うし。ほしたら、どうしよか。あとはやるだけなんじゃけど」

 猪井氏(いいし)先生は、突然、鬼切社長に話を振ってきました。

「え、ほんとですか、なんというか、こう。もっと猪井氏先生のマーケティング戦略みたいなのがあるんじゃないんですか。それを教えてもらって、その通りにやれば、年商1億円と利益2,000円を達成できる、的な。まあ、私の努力次第かもしれませんが」

 猪井氏先生は10分前の発言に続き、あきれた顔で鬼切社長の方を見ました。そして、小さなため息を「ハァ」とつきました。

「んなもんないわ、アホか、鬼切はん。いま、鬼切はんが言うた中で、唯一合ってるのは『私の努力次第』ってところだけじゃ。他、『これやったら成功します』なんてマーケティング理論はないわ」

 鬼切社長は話を聞きながら、「ですよねぇーー」と相づちを打ち続けていました。猪井氏先生、またアホな質問をしてしまってごめんなさい、と思いながら。

目標がきまるともうひとつの数値が決まる

「たーだーしー、鬼切はんに教えとかないけんこと、一個だけあったわ。まずそれを教えんとな、スタートは切れんわ。ワシもな、インターネットマーケティングのこと、けっこう勉強したんじゃぞ」

 鬼切社長は、どこかホッとした気持ちになりました。余計なことを言ってしまったものの、またひとつ新しいことを教えてもらえるようです。

「鬼切はん。鬼切はんは『売上年商1億円。利益2,000万円』ゆう目標を立てた。その目標を達成するために年商1億円をどうやって使えばいいか、それも大体理解した。これから運営に取り組む前に、もうひとつ、想定しておきたい数字があるんじゃ」

 「はいはい、それはなんでしょう」。鬼切社長はメモ帳の新しいページを開き、ペンの先を舐めるふりをします。「猪井氏先生の話すことは、一文字も逃さないぞ」という雰囲気をみせました。

「売上の目標を年商1億円と決定すると、商品原価率や物流費率、システム利用料率、人件費率、広告費率なんちゅう『会計』の数値の他に、もうひとつの数値が決まるんじゃ。それは、なんて表現すればいいんかわからんけども、『事業』の数値ってことにしよか。事業数値、メモしといて」

事業数値はオンラインショップを運営するときの指標

 鬼切社長は、メモ帳に「事業数値」という文字を書きました。

「事業数値ってのはな、オンラインショップを運営していくときの指標になる数字のことじゃ。今から言う、5つの項目をメモしといてな。ひとつ目は『売上』。これはそのまんまじゃ。つまり年商で考えると『売上』=1億円ってことになるな。『売上』の下に、1億円って書いといて。そしてふたつ目は、『アクセス人数』。オンラインショップに何人のお客さんが来たかっていう数字じゃ」

 鬼切社長は、少し首をかしげます。

「訳わからんくても、一応書いとけ。それでみっつ目は『受注件数』。どのくらいの注文を受けたか、って数じゃ。ほしてよっつ目は『転換率』。100人のお客さんがオンラインショップに来たとき、何人のお客さんが買ってくれるかっていう確率のことじゃ。そして、最後に『客単価』。お客さんがオンラインショップで商品を買ってくれるとき、一度の注文でいくらのお金を使ってくれてるかという数字じゃ。この5つをメモ帳に書いて・・ん?・・ん?・・鬼切はん、鬼切はん??」

 プシューーーーーーーーー!!!!

 以前、二子(にこ)社長との勉強会で起こったのと同じように、頭の中がオーバーヒートして、鬼切社長は失神をしてしまったのでした。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。