ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

本当の意味で「PDCAサイクル」を回すことができる時代がやってきた!【no.0835】

 PDCAという言葉があります。

計画・戦略を意味する「Plan」、実行・実践を意味する「Do」、評価・検証を意味する「Check」。改善・修正を意味する「Action(Act)」、の4つからPDCAは成り立っています。ご存じの方も多いと思います。

ネットショップでも日々の業務をおこなって成果を上げていきますから、このPDCAをぐるぐると回していくことになります。こちらもご存じのとおり「PDCAサイクル」というものです。PDCAの「計画→実行→評価→改善」の一連の流れを一度回しただけでは成果に繋がりません。何度も何度も回転をさせることで、成果が生まれていきます。

ネットショップのマーケティングの場合は、このPDCAのうちの「C:評価・検証」をおこなうことが容易です。Googleアナリティクスやショッピングモールの統計情報・アクセス情報を活用することで「C:評価・検証」をどんな規模のネットショップでも毎日おこなうことができます。

 この「どんな規模のネットショップでも」と「毎日」というのがポイントです。

リアルビジネスであれば、「C:評価・検証」という作業は大規模なシステムを導入しないとなかなかできないことです。つまり、ある程度のビジネス規模の企業に限られてしまいます。また、これまでのビジネスではリアルから取得できる「評価・検証」のデータが限られていました。コンビニエンスストアでも、「コンビニに来店したけれど、何も買わずに退店した方の人数」を取得することができなかったのです。

また、たとえデータを取得していたとしてもその集計に手間がかかってしまうのがこれまでのビジネスでもありました。紙で取得したデータをデータベースに入力をすることの負担が大きく、データの評価と検証が1ヵ月に1度、3ヶ月に1度になってしまうケースも少なくはありません。ちなみに、雑誌の購買部数が確定するのは発売から半年後と聞きます。このようなデータがネットショップであれば「毎日」、すでにデータ入力とデータ集計がされた状態で確認することができるのです。

マーケティングの基本は、「仮説を立てる」→「やってみる」→「成果を検証する」→「新しい仮説を立てる」の繰り返しです。従来のビジネスでは「抜けがち」もしくは「曖昧」なまま次の仮説を立てなければいけなかった「成果を検証する」という部分が、ネットショップではどんな規模でも毎日おこなうことができるわけです。

これはネットショップに限らず、インターネットを活用するビジネスすべて、さらにいうとデジタル化が進んでいるすべてのビジネスにおいて当てはまります。今後、オムニチャネル化などリアルビジネスの「デジタル化」がさらに進んでいくでしょうから、この「C:評価・検証」の活用の上手さが勝ち負けのキーポイントになることは間違いないと思います。

デジタル化によって、本当の意味での「PDCAサイクル」を回すことができる時代がきているわけです。また、インターネットの登場と普及によって、ごく一部の能力や資本を持った人だけではなく、すべての人が「PDCAサイクル」を回せ、そして上手くなれる環境が整ってきているわけです。

これまで「P:計画・戦略」と「D:実行・実践」がマーケティングの中心でした。ですから、PとDのナレッジは世の中にあふれています。「C:評価・検証」と「A:改善・修正」のナレッジはまだまだこれから。自社で着実にノウハウを蓄積していくことが、さらにビジネスを伸ばしていくキーポイントになるのではないでしょうか。

おわり。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。