ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

石を投げ続けて、波紋の変化に気づこう。それが「チャンス」かもしれません【no.0702】

 「チャンスはそこらじゅうに転がっている」といいますが、誰しもの目にみえるところに転がっているわけではないと思うんですね。

 第一、チャンスがそこらじゅうに転がっていたら、そこにみんなが飛びつくわけですし、チャンスが無限に転がっているのなら、人間の全員が事業を成功させているわけです。でも、現実には、全員の事業が成功するわけではないですし、全員の人生がハッピーになっているわけでもありません。(もちろん、成功や幸せの定義は各々の価値観によって異なります)

 もし、チャンスがそこらじゅうに転がっている状態があるとすれば、誰もが踏み込んだことのない領域に、「一番最初に飛び込んだ」状態ではないかと思います。私たちの業界の近しい例としては、インターネット業界やEコマース業界です。周りを見回して、早くEコマースに参入した事業者は、やはり成功している方が多いです。早く参入して「タイミングが良かった。得をした。ラッキーだった」とも言えますし、「誰もやらないことに飛び込む勇気があった」とも言えます。私は度胸がないので、後者だと思っています。

 やはり、私を含め、大多数の人間はこのような「先見の明」もなく、「飛び込む度胸」もありません。そうなると、そこらじゅうに転がっているチャンスを掴むことはできないので、動きながらチャンスを探していかなければいけないわけです。ボーっと道をみていても、チャンスをみつけることはできません。

 魚を釣ろうと、湖面に立っていたとします。ボーっと湖面をみて、どこに魚がいるかを探してもみつかりません。湖面をみるだけで、魚の居場所がわかるような「チャンスが転がっている」状態はとっくに終わっています。まずは、「どこにチャンスがあるか」を探すため、湖面に石を投げなければいけません。石を投げると、湖面に波紋が広がります。また違う場所に石を投げると、また波紋が広がります。

 石を投げ続けていると、波紋に変化があることに気がつきます。大きく波紋が広がることがあれば、小さく深く波紋が広がることもある。場合によっては、石が魚に直接当たって、気絶した魚が浮かんでくることもあるかもしれません。湖面に石を投げ続けて、その反応の変化に気づく。そして、その変化がどう魚群に関係しているのかを考え、釣竿をおろす。1度では関係性がわからなくても、2度3度と繰り返すたび、「何か」がみえてくる。この「何か」が「チャンス」だと思うのです。

 この「チャンス」は、必ずしも最初に自分たちが予測していたところにあるとは限りません。自分たちが予想していたものとも限りません。むしろ、自分たちが発想していたことの外側にあることの方が多いと思います。なぜなら・・と考えてみると、魚を釣る人はひとりだけ、魚の数の方が圧倒的に多いからではないでしょうか。「魚=人間」とすると失礼ですが、売る側はたとえひとりでも、お客様は圧倒的多数であるわけです。「使い方」のバリエーションはお客様側の方が多くなるのは、至極当たり前のことですよね。

 これが「潜在ニーズ」「潜在需要」というものであり、「先見の明」もなく「飛び込む度胸」もない私たちが追い求めなければいけないものではないでしょうか。ごくごく一部の「天才」と呼ばれる人間は別として、大多数の一般人(恥ずかしくありません)はとにかく動き続けて、「潜在ニーズ・潜在需要=チャンス」を探すしかありません。1つ「潜在ニーズ・潜在需要=チャンス」を掴むことができれば、あとはそれをひたすら広げるのみです。

 「チャンスはそこらじゅうに転がっている」といえる人は、それだけ「動いている」人なんでしょうね。

 おわり。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。