ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

自社のネットショップのことを、お客様におぼえてもらうためには【no.0842】

 はたして自社のネットショップのことをお客様はどれくらいおぼえていてくれているものだろうか・・。すべてのEコマース事業者の悩みのひとつではないかと思います。

 インターネットというものの特性上、どうしてもWEBサイトのコンテンツの方にお客様が寄ってしまうのは仕方がないことです。ネットショップであれば、商品を購入してくれたお客様が「どのネットショップで買ったかはあまり印象にない」。情報メディアサイトであれば、文章を読んでくれたお客様が「どのメディアで読んだかはあまり覚えていない」。インターネットはコンテンツに寄るのです。

 これがリアルの場合、そこに実店舗や雑誌という「モノ」が物体として存在しています。しかもお客様は必ず実店舗の「入口」、雑誌の「表紙」から入ってきてくれます。ですから、「ブランド」としてその存在を認知してもらえる可能性がインターネットより高いのですね。インターネットの場合、商品ページやコンテンツページなどの「脇道」からお客様が入ってきます。「脇道」から入って「脇道」から抜けていくので、「ブランド」が目立たないというわけです。

 そんな中でも、自社のネットショップとしての存在をお客様に知ってもらうことが大切です。新規顧客だけを増やし続けて成長を持続することは難しいですから、多少「徒労」に終わっても、存在を知ってもらうためアピールとカイゼンを続けていきましょう。

 お客様にネットショップの名前をおぼえてもらうためのポイントは「接触」と「体験」にあります。

 ネットショップでまずできることとして思いつくのがメールマガジンの活用です。お客様との接触頻度、接触回数を上げるため、定期的に配信をしていきましょう。1度や2度送っただけで「効果がみられない」と取り組みをやめてしまうのは早計です。成果管理シートをつくって、カイゼンを回し続けます。

 ネットショップを利用していただいた場合は必ず商品の発送があるわけですから、「封入物」によってお客様の印象に残るチャンスがあります。ショップのコンセプトが伝わるもの、ショップの顔が見えるもの、ショップカードや簡単な情報紙、簡単なカタログを封入することで、さらに「体験」を深めてもらおうということです。封入物の良いところは、基本的に100%お客様の手に届くということです。

 ダイレクトメールを送るという方法もあります。メールマガジンを配信していたとしても、メールボックスを長く開けていなかったり、迷惑メールのフォルダに振り分けられてしまっていたり、メールの量が多かったりして、メールはお客様側の都合によっても埋もれがちです。郵便受けに入る郵便物の量は、さすがにメールの量よりも少ないでしょうから、より見てもらえる可能性があります。ダイレクトメールは「モノ」ですから、「体験」のひとつになるのも強みです。

 実店舗を持っているネットショップであれば、ネットショップで購入いただいたお客様を「実店舗に流す」ということも可能です。あくまでネットショップを「新しいお客様の集客窓口」と捉え、ブランディングとリピートは実店舗でおこなってもらう、という考え方です。商圏の違いという課題もありますが、実店舗に来ていただくことができれば、高いレベルでお客様に「接触」と「体験」を提供することができます。実店舗を持っていないネットショップは、「リアルイベント」を開催することも手です。

 いずれも「もう知ってるよ」という泥臭い手段ばかりです。「他人に動いてもらう」仕事ですから、90%以上が徒労に終わります。ただ、お客様は常に「自分の都合」でネットショップを利用しています。当然です。その「自分の都合」に引っかかるまでアプローチをカイゼンし続けていきましょう。あくまで決めるのは「お客様」なのですから。

 おわり。

 

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。