ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

転換率を上げるためにネットショップの何を改善するか。トップページ?商品ページ?【no.0784】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

「『転換率を上げるには?』っていう麻間(あさま)さんの宿題。アイデアは考えてきた?」

 友花里さんが七海さんに聞きました。七海さんはバッグの中からアイデアのメモをしたノートを取り出しました。

「普段使ってるネットショップをいくつかみてみて、なんとなくいまの『笹かまオニギリ』に欠けてると思うところをメモしてみたよ」

 七海さんはそういうと立ち上がり、ホワイトボードマーカーのキャップをあけてボードにアイデアを書き出しました。

「まずは、写真をもっと良くした方がいいかなと思った。他のネットショップはどうやって撮ってるのか全くわからないけど、写真がもっと魅力的できれい。あとは、文章もさらっと書きすぎなところがあるかなぁ。いまのネットショップの商品の説明文って、『実店舗で大人気の笹かまぼこセットです!』みたいな紹介だけじゃない。あれをもっとよくできないかと思って。あとは、トップページとか全体的なデザインがおしゃれなネットショップに比べるとイマイチかなぁと。ここらへんをカイゼンすれば転換率が上がるかなぁと思いました」

 そうまとめると、ホワイトボードのマーカーにキャップをしめ、席に戻りました。続いて、友花里さんが立ち上がり同じようにマーカーを取ってホワイトボードに書き出しました。

「私も前回のアクセス人数の宿題と同じように、他のネットショップを参考にしてカイゼン点を探してみたの。七海がいうように商品の写真のクオリティとか商品説明文の詳しさとかっていうのもあるんだけど、そもそも商品の写真の数が少ないんじゃないかと思ったの。あとは、もっと他のネットショップってページにいろんな情報がのってない?たとえば、『売れ筋No.1』って書いてあるバナーとか、『こうやって食べると美味しいです』とか、『美味しく食べるための解凍の仕方』とか。笹かまぼこの場合、どういう情報があるといいかってのはイマイチ想像がつかないんだけども、何か追加できないかなって」

 友花里さんは七海さんに話しながら、いくつかのアイデアをホワイトボードに書き出しました。

 その後も、七海さんと友花里さんはブレスト形式でネットショップの商品ページをどう変えるかというアイデアについて話し合いました。1時間後、かなりの量のアイデアがホワイトボードに並びました。

「けっこうでたね」。七海さんはいいました。ただ、そこからどうすればいいのか、どうやって取り組んでいけばいいのか。七海さんと友花里さんは固まってしまいました。商品ページをカイゼンするというのは、どれも専門的なスキルが必要なように感じられたのです。

 「これって、ここからどうしていけばいいのかね」。最初に口を開いたのは友花里さんでした。七海さんも同じように考えていましたから、友花里さんの方も向いて苦笑しながら頷きました。

 「麻間さんに、相談してみよっか・・」。七海さんと友花里さんの意見が一致しました。早速、七海さんが麻間さんにメールを書きました。「転換率をどうやって上げればいいか?」のミーティングをしたこと。笹かまオニギリのネットショップ、商品ページのカイゼンアイデアがたくさん出たということ。どれから手をつけていいかわからないということ。そして、これらを実行するためには自分たちにはスキルがないということ。少し長いメールになりましたが、素直に悩みを全部書き出しました。

 翌日、七海さんと友花里さんが出社してパソコンを開けると、メールボックスには早速麻間さんからのメールが戻ってきていました。麻間さんのメールにはこうありました。

「たくさん話し合ってくれてありがとうございます。話し合った上で感じられた、気づかれた悩み。まさに今のおにぎり水産の課題という部分です。ここは少しずつ解決していきましょう。まずはネットショップのデザインや商品ページのカイゼンではなく、ちょっと違う部分のカイゼンを考えて、『転換率』を上げて欲しいかな。そこは・・何でしょう?ヒントは、お尻」

 「お尻っ!?」

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。